1月16日朝、新潟県弥彦村にイノシシ1頭が現れ、まもなく地元猟友会会員が猟銃で駆除した。弥彦村でイノシシが駆除されたのは初めて。
午前8時10分ごろ弥彦村南部の麓地内にある高齢者総合生活支援センター付近でイノシシが現れたと村に通報があった。村では駆除を想定して猟友会に出動の要請をしてから現地へ向かった。
8時35分に高齢者総合生活支援センターに到着し、付近でイノシシを確認した。イノシシはそれほど人を怖がるようすもなく、えさを探しながら弥彦山と反対の方向へ進み、その後を追った。
イノシシは、サンビレッジ弥彦の裏を通って県道2号新潟寺泊線に出ると、弥彦神社のある北へ向かって歩いた。進行方向左手の麓の集落に入ると人に危害を加えるおそれがあるため、田んぼの広がる右手へ曲がるように追い立てた。
しかし、イノシシが向かった先に今度は村山の集落があるため、やむを得ず合流した猟友会会員に頼んで午前9時10分に猟銃で駆除した。通報から1時間でのスピード解決だった。
イノシシはメスで体長約1メートル。前日15日にここから南東へ直線で約7キロ離れた長岡市寺泊の港などでイノシシ1頭が目撃されており、それと同じイノシシの可能性が高そうだ。
12日にも寺泊からさらに南東へ約14キロ離れた出雲崎町の道の駅「越後出雲崎天領の里」で目撃されたという情報がある。一方、となりの燕市では2日に道金地内でイノシシ2頭が目撃された情報もある。
2017年11月に燕市と弥彦村で同じ個体と思われるイノシシが目撃されている。いずれも以前はイノシシの目撃情報は皆無だった。2019年10月には燕市でも初めてのイノシシの駆除が行われるなど、日常の生活空間のなかにイノシシが入り込んでいる。
先に信濃川が悠々と泳いで渡るイノシシが目撃されており、イノシシが現れないようにする対策はない。弥彦村では猟友会と連携を密にしてイノシシが現れたら必要があれば速やかに駆除するくらいしかた手だてがないのが現だ。