新潟県新潟市西蒲区福井、日帰り温泉「じょんのび館」では、2月の毎週土、日曜に西蒲原地区5蔵の日本酒を順に大浴場に投入する初めての日本酒風呂の提供が始まった。
1、2日は笹祝酒造、8、9日は弥彦酒造、15、16日は宝山酒造、22、23日は峰の白梅酒造、29、3月1日は越後鶴亀がそれぞれ醸造する日本酒を投入しているもの。男女の大浴場は毎日、入れ替えており、一方はジャグジー風呂、もう一方は丸太風呂それぞれに午後2時と6時の2回、担当する蔵の銘柄の日本酒を1升瓶(1.8リットル)1本、投入する。
あわせて袋に入れた酒かすも沈める。さらに女性用の大浴場には、美白や保湿に効果抜群の酒かすパックを置いて自由に使ってもらう。食堂では西蒲五蔵の日本酒の飲み比べセットを税抜き500円で販売し、5蔵の位置を示す今回のために作成した「西蒲酒蔵マップ」に5蔵それぞれの日本酒をぐいのみに注いで提供し、かす汁税向き380円も提供する。
売店では5蔵の銘柄15種ていどを販売。笹祝酒造と峰の白梅酒造は担当日に自社の銘柄の試飲も行う。初日1日は午後2時になると職員が一升瓶を持って浴場へ。日本酒を投入すると酒かすとあいまってほのかに日本酒が香り、利用者は興味深そうに見ていた。
「じょんのび館」は1993年に営業を開始し、第三セクターの株式会社福井開発が運営してきた。かつては年間20万人の利用があったが、近年は12万人から13万人と落ち込んでいた。てこ入れを図ろうと昨年11月、福井開発は株式会社関越サービス(小川和宣代表取締役・新潟市西蒲区)の出資して民間会社となり、関越サービスのグループ会社として再スタートした。
関越サービスは、同じように立て直しの業績回復を求められてこれまでに日帰り温泉では三条市の「しらさぎ荘」と新潟市小須戸の「花の湯館」の指定管理者となり、いずれきも期待に応える業績をあげている。「じょんのび館」でもそれまでイベントを行ってこなかったが、さっそく昨年12月に「冬至」でゆず風呂を実施。それも地域とつながっていこうと、使用するユズを買うのではなく、あえて地域の人たちに呼びかけてユズを提供してもらった。
日本酒風呂はそれに続くイベント。以前から共同して取り組んでいる西蒲五蔵と縁があって実現。「地域とつながる日帰り温泉」をテーマにしている。
岩沢二郎マネジャーは「じょんのび館はおもしろいことをやっているとお客さまに言ってもらい、少しでも笑顔になってもらえれば」と言い、3月はひな祭り、夏にはすぐそばの小川で舞うホタルを生かして企画を検討している。問い合わせは「じょんのび館」(電話:0256-72-4126)へ。