ことし3月末で閉館する加茂市・上町コミュニティセンターの市民ギャラリーを会場に2月1日から13日まで新潟県加茂市のアーティスト、まりあ由実さん(35)の作品展「まりあ由実 めぐる春<絆>輪廻展」が開かれている。
まりあさんは母がフィリピン人で、マニラで生まれるとすぐに加茂市へ。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の広告代理店に就職したが、体を壊して帰郷。働きながら2010年ごろから再び創作活動に本格的に取り組み、水彩画や鉛筆画などさまざまな絵を描いている。
作品展は2011年に初めて村上市で開いてから今回で8回目、上町コミュニティセンターでは4回目となった。加茂市は上町コミュニティセンターを建物を借りて運営しているが、財政健全化のため3月末で閉館する。当初はことし10月ごろに開催の予定だったが、閉館する前にと半年以上も前倒しした。来年には結婚で新潟市へ引っ越す予定なので、その意味でも大きな節目の作品展だった。
漫画の模写に夢中だった小学生のころの作品から中学生、高校生と所属した吹奏楽部の課題曲にインスピレーションを受けた作品、体育祭のパネル長になったときに描いた原画、東日本大震災で被災した人たちに思いを込めてサクラの花びらを張って最近になって加筆した作品など、アーティストとしてのキャリアの集大成といえる約150点にのぼる作品を一堂に展示する。
まりあさんが出会った人たちから届いたメッセージもある。「世話になり、わたしを育ててくれたのはここ(上町コミュニティセンター)」と、まりあさんにとって特別な会場。「気がつけばいろんな人がまわりにいてくれ、支えてくれた」と感謝する。
「わたしはただ(利き手の)左手を信じるだけ。続けていればまたどこかでみんなに会えるとわかった。背中を押され、前から引っ張ってもらっている感じで、いつまで描けるかわからないが、続けていきたい」と話している。毎日午前9時から午後9時まで開場、入場無料。