「節分」の2月3日、新潟三条市・法華宗陣門流総本山「本成寺」(門谷日悠貫首)で春を呼ぶ節分会が行われた。日曜に当たった昨年は主催者発表で3万6千人の人出だったが、平日の今回は例年並みの2万人の善男善女でにぎわった。
明け方の三条の最低気温は−0.2度の氷点下になったが、日中は3月下旬並みの10.7度まで上がり、昼過ぎまで日が差すこともあった。記録的な暖冬で境内に雪がないのはそれほど珍しくないが、節分まで積もると言うほど雪が降らなかったのは極めて珍しい。翌4日は春の始まり「立春」だが、春を呼ぶまでもなくすっかり春の陽気が到来している。
節分会は午前11時からと午後2時からの2回、本堂で法要に続いて、鬼踊り奉讃会(石丸幸広会長・会員21人)による踊りが行われた。満員の本堂で読経が響くなか、参拝者の頭上で木剣を打ち鳴らしてはらい清める祈とうも行われた。
読経が終わるといよいよ鬼踊り。ナレーションのあと僧兵が正面の舞台に上がり、巻物を読み上げて立ち去ると、鬼の出番。1匹ずつ舞台ににじり上がり、赤、青、黄、緑、黒の5色の鬼に加えて三途川婆(そうずかば)は「うぉー!」と大きな声を上げ、金棒、のこぎり、木づちなどを振り回して暴れ、太鼓やドラの音に合わせて踊った。さらに左右の舞台にも分かれて鬼は計7匹になった。
子どもの健やかな成長を願って子どもを鬼に抱き上げてもらおうと親は鬼に子どもを差し出し、子どもたちは大粒の涙を流して大泣きしていた。門谷貫首の「福はーうち!」を合図にいっせいに鬼に豆をぶつけた。僧兵も加勢して戦うと鬼はたまらず本堂の外へ退散し、鐘楼堂で鐘をつくと改心して一件落着。境内でも子どもを鬼に抱いてもらったり、鬼と一緒に並んだりして記念写真を撮り、まるでヒーローかアイドルのような人気だった。