新潟県三条地域振興局は2月3日、新潟県県央地域の高度な産業技術を支える卓越した技術者や技能者に与える称号「にいがた県央マイスター」に新たに三条市・増田切出工場の増田健さん(72)を伝統的鍛冶技術(切出小刀部門)で認定した。
この制度は2005年に創設され、増田さんは32人目の認定となった。増田さんは1964年に増田切出工場に入工して父の指導を受けた。2011年に三条市から産業振興への功績で表彰され、17年に伝統工芸士に認定された。18年度から協同組合三条工業会が主催する「伝統的鍛冶技術継承事業及び管理基礎講座」の実技講座講師を務めている。三条鍛冶集団筆頭師範。
3日は燕三条地場産業振興センターで第11回にいがた県央マイスター認定証授与式を行い、山田富美子局長から増田さんに認定証と記念の盾を手渡した。
来賓として出席した国定勇人三条市長は、増田切出工場は移転するが、全面移転ではなく、今の東裏館にある工場を製造ラインができる必要最低限の機械などを残し、活動拠点としながら小学生や若い人に鍛冶の技を見せる場所にしようと増田さんが計画していることを紹介。増田さんは「今の工場をとにかく若い子が集まるように、うちのせがれもそうしたいと言ったので、工場を壊さないで親子で頑張っていく」と決意を新たにしていた。