中国の湖北省武漢から新型コロナウイルスの感染が広がって深刻化するなか、新潟県三条市は2月4日、武漢の南東に接する友好都市の湖北省鄂州市と重慶市巴南区に感染症対策のための支援物資を発送した。
支援物資は医療用マスク1,750枚、医療用防護セット(防護服、手袋、ゴーグル、マスク)200セット、医療用手袋6,000枚、感染症予防用の医療用エプロン1,200枚、マスク10万枚。マスクは巴南区だけ、それ以外は両区市に半数ずつ提供する。
新型肺炎の感染が広がってから三条市は両区市と連絡を取り合っている。重慶市は支援物資のリストを作成して要請していることから、三条市では支援物資を送ることに決めた。
マスクなどは国内でも入手困難になっている。三条市が市内の病院に支援物資の有無などを問い合わせると、医療用防護セットと医療用手袋は三之町病院、医療用マスク1,250枚は富永草野病院が無償で提供してくれた。
4日は夕方、まず巴南区行きの支援物資を三条市の1.5トントラックとバン1台ずつに積んで三条郵便局へ運び込んだ。支援物資を詰めた段ボール箱には「巴南加油(がんばれ)!! 」と書いた紙を張り、病院も段ボール箱に「加油!」と書いた。国定勇人市長の親書も一緒に送る。
EMS(国際スピード郵便)で郵送し、ふだんなら3、4日で現地へ到着するが、今は中国の国内外から支援物資が殺到しているため、配達が遅延している。
4日午前0時までに鄂州市では332人が感染し、18人が死亡し、巴南区では3人が感染している。三条市は3月22日(日)に中国の重慶市で開かれる2020年重慶国際マラソンに出場する選手の派遣を予定しているが、開催中止の情報は今のところない。