新型コロナウイルスの感染拡大が国内の観光産業へも影響をもたらすなか、インバウンドでも人気の観光スポット、新潟県弥彦村の弥彦神社で2月5日、疫病退散祈祷(えきびょうたいさんきとう)が行われた。
一般社団法人弥彦観光協会(神田睦雄会長)が主催したもので、神田会長をはじめ、弥彦村の小林豊彦村長、社団法人新潟県観光協会の高橋正会長、岩室温泉観光協会の宮本浩朗事務局長、弥彦村議会の安達丈夫議長ら10人が参列。祈とうのあと玄関の柱などに張る疫神斎の神札(えきじんさいのおふだ)を授かった。
弥彦神社は古来から霊験あらたかとされる「名神大社(みょうじんたいしゃ)」と称され、弥彦神社が初めて国史に見える『続日本後紀』巻第二・仁明天皇天長十年(833)のなかで弥彦神社は「彼の郡旱疫有る毎に雨を致し病を救うを以てなり」とすでに疫病から救うと記されている。
毎年7月に行われる重要無形民俗文化財の弥彦燈籠まつりは、疫病退散をきっかけに始まった京都の祇園祭の流れをくむとされる。疫病がはやると地方でも行われたとされる道饗祭(みちあえのまつり)も毎年6月と12月に行われている。
新型コロナウイルスの感染拡大で県内でも湯沢町などスキーやスノーボードでハイシーズンを迎えている観光地で旅行や宿泊のキャンセルが増えていることから、疫病退散のご利益で名高い弥彦神社で身体健全と商売繁盛を祈願しようと祈とうを行った。
神田会長によると、弥彦はオフシーズンなので目立った影響は出ていないと言い、「弥彦大神さまの力で疫病退散を願うとともに、気持ちの問題で安心感を得られたら」と話していた。