新潟県三条市と宅配大手のヤマト運輸は2月12日、災害時における物資配送に関する協定を締結した。ヤマト運輸が自治体と災害関連の協定を結ぶのは三条市で136番目、新潟県内では三条市が初めて。国定勇人市長は「中身が本当に伴っている協定の締結はヤマト運輸でも多分、全国初」と実効性に期待した。
午前11時半から市役所で国定市長とヤマト運輸執行役員の小林秀朝北信越支社長が協定書に調印。ヤマト運輸のキャラクターのクロネコとシロネコの着ぐるみも同席した。
協定では、三条市内での災害発生時の物資提供、市外で災害が発生したときの被災自治体への物資配送に関する業務をヤマト運輸が実施するとしている。具体的にはヤマト運輸は、支援物資配送に関する助言、避難所などへの支援物資配送、三条市が運営する支援物資集積拠点の搬入搬出や在庫管理の運営などを行う。
国定市長は三条市が大規模災害に見舞われた2004年の7.13水害をへて11年の7.29水害でも「実効性のある対応がままならなかった」とし、災害対応の再構築を議論してきたが「しょせん、この分野では素人集団なのでまったく活路が見いだすことができなかった」。
そこでヤマト運輸の力を借り、災害対応マニュアルの変更をアドバイスしてもらい、昨年6月の三条市の防災訓練では、物資搬送に関する具体的な作業をヤマト運輸の管理下で行い、「宿題、反省点をいただき、この6月の防災訓練にまたのぞんでいかなけらばならない」と述べた。
小林支社長は、防災訓練は「防災訓練で大きく動いた」、「互いに課題が見え、顔もはっきり見えてきて、ものすごく大きな一歩だった」と振り返り、「平時から訓練を重ねることで本当の意味で発災時に市民の役に立てることになると思う」。
ヤマト運輸は三条市に2つの拠点をもち、90人のスタッフでトラックが31稼働しているので、いろいろな情報収集もできる。「そうした情報も活用して、互いのためになるような安心安全に暮らせる三条市に貢献していきたい」と述べた。