3月3日の「ひな祭り」にあわせて新潟県新潟市西蒲区の岩室温泉の旅館や店舗にひな人形を飾り、旧北国街道沿いに温泉旅館が並ぶ温泉街を歩いて鑑賞してもらう恒例の「岩室温泉ひな巡り」が2月21日(金)から3月5日(木)まで開かれる。
2012岩室温泉のまちあるきおもてなしとして、かつて芸妓(げいぎ)の置屋だった風情ある建物を使った能面アトリエ「無匠庵」を見学してもらおうと、ひな人形も飾ったのが始まり。2015年から毎年、ひな祭りにあわせて開き、ことしで6回目になり、地元の新潟市岩室観光施設「いわむろや」を運営する「NPO法人いわむろや」が主催する。
ひな祭りを展示するのは、温泉旅館をはじめ商店、飲食店、金融機関、寺、理容店、公共施設など昨年より3カ所増えて29カ所にものぼる。メーン会場となる「無匠庵」はふだんは開放しておらず、期間中は毎日午前10時から午後4時まで開放。建物自体が見所で、江戸時代半ばに流行した享保雛(きょうほびな)から現代のひな人形、土人形、タマゴの殻を使ったひな人形、つるし雛などを所狭しと展示する。岩室温泉となりの福井地区でも旧庄屋佐藤家、本間屋(ゆべし)、茶店さとやまでもひな人形を展示する。
加えてことしは、展示会場のあちこちに旧岩室村の8人の作家による絵画、竹細工、書道、版画、彫金、ロックペイントなどさまざまな作品が展示される。展示会場を回ってスタンプを集めると抽選で岩室温泉利用券などが当たる「ひなスタンプラリー」もある。
食べる楽しみを提供するのが、3年前から行っている「ひなランチ」。飲食店が食材や調理法に春を詰め込んだ限定メニューを用意する。ことしは8店が1品ずつ、500円から3,900円までのメニューを用意して春を味わってもらう。要予約や数量限定の所がある。
2月22日(土)は、新潟市岩室観光施設「いわむろや」を集合場所に午前9時半から11時半まで岩室温泉のボランティアガイドの団体「いわむろ案内人」主催のまちあるきが行われ、ボランティアガイドの説明を聞きながら岩室温泉の歴史や文化にふれることができる。参加費500円、定員30人で「いわむろや」(電話:0256-82-1066)で参加申し込みを受け付けるが、当日でも受け付ける。
関連イベントとして3月1日(日)に「伝統芸能披露岩室づくし」、3月5日(木)に「五葉会 民謡の会」、2月22日(土)から24日(月)まで「お抹茶のおもてなし」、2月22日(土)に「天神講色付け体験」、2月21日(金)から23日(日)と28日(金)から3月1日(日)まで「つるし雛づくり体験会」、2月21日(金)から3月1日(日)まで「手作りバッグ展示会」と「小物づくり体験会」と盛りだくさんだ。
いわむろ案内人の竹内みよ子さんは「春の岩室の風物詩とまで言われるようになった。ここに住む人たちが元気になるのがわたしたちの目指すところ。誇りをもって岩室の魅力を発信できるように活動していきたい」。NPO法人いわむろやの笛木憲弘理事は「ひな人形とアートの融合をテーマに飾り付ける」と地元作家の作品を推している。関連イベントは次の通り。