新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月22日に中国の重慶市で開かれる予定だった重慶国際マラソンが延期されたのに伴い、日中合同チームに選手を派遣する予定だった三条市は派遣を中止した。三条市からは職員2人を含む市民10人が参加を申し込んでいた。
毎年開かれている大会で昨年は、在重慶日本国総領事館が日中平和友好条約40周年、在重慶日本国総領事館開設20周年を記念して日中合同チームを結成し、ランナーを募集して参加した。
ことしも日中合同チームが参加するにあたり、ランナーを募集した。三条市は昨年6月に中国・重慶市巴南区と友好都市提携したのを記念して三条市からもランナーを募集してまとまって参加することになった。
三条市から10人、友好都市の巴南区から10人が日中合同チームに参加し、日中合同チームは総領事館の募集分を含め100人規模で参加の予定だったが、関係者の間でやりとりしているメッセンジャーアプリで大会の延期の情報が流れた。
そのため三条市はいったん派遣中止を決めた。ただ、延期して開催の日程が決まったらその時点であらためて三条市からの参加者を募集するかなど検討する。
三条市の会社社長、梨本次郎さん(46)は、三条市から参加予定だった10人のうちのひとり。3年前から山野を走るトレイルランニングに熱中し、今は月に約300km走る。三条市からの参加者のなかで唯一、フルマラソンにエントリーしていた。
梨本さんはフルマラソンの経験はなく、「フルマラソンの初挑戦、デビューが中国というのもかっこいいなと思っていた」と笑う。大会の延期、三条市の派遣中止の決定に、最近の感染の広がりから「派遣はないだろうなとうすうす思っていた」。
とはいえ重慶マラソンに向けて4時間、できることなら3時半を切るタイムをねらってトレーニングを積んでいただけに「個人的にはやっぱり残念」と言う。仮に中止にならなかったところで、「中国から帰ってこれなくなる可能性もある。家族や会社の立場を考えると参加はできなかったと思う」と打ち明ける。
走るだけでなく、3人制バスケットボールのプロ選手や立教大学の学生も参加すると聞いていたので、「その人たちとの交流も楽しみにしていたので、残念会くらいやってもいいのかな」と話している。