2月24日正午前、新潟県三条市内の写真店に車が突っ込む事故があった。この事故で店内にいた2人がけがした。
事故があったのは木造平屋建ての三条市東三条1、「カメラのアート」(菊地潔社長)三条店。通称「第一産業道路」に面し、「とんかつ三条」の隣り。店舗前の駐車場からバックしてきた電気自動車がショーウインドーを破って店内に突っ込み、右前輪を除く3輪が店内に入る状態まで、ハンドルをやや右に切った状態で店内に斜めに入って止まった。
事故当時、店内には店員と客が3人ずついた。店内の机にあるパソコンでSDカードから写真をプリントしようとしていた男性客と、作業を手伝っていた女性店員の上に棚や机が倒れてきて、女性店員はその下敷きになって足をはさまれたようになって身動きが取れなくなった。男性客は右肩を打撲し、右のほおにすり傷をした。
女性店員は救急車で市内の三之町病院に運ばれ、その後、三条総合病院に移された。足にけがをして、けがの程度はわからないが命に別状はない。男性客は自分で県央医師会応急診療所を受診し、右腕が痛くて上がらないので翌日、ほかの病院を受診することにした。
車を運転していたのは60歳代の男性で、けがはなかった。写真のプリントしようと来店したらしいが、気が動転していて突っ込んだ状況の記憶はあやふや。ブレーキを踏んだと話していたようだが、ブレーキとアクセルの踏み間違えの可能性が高そうだ。
車は車止めを越え、犬走りを越え、土台を越えて建物の中に入った。電気自動車なのでトルクの強さが裏目に出て奥まで入ったとも考えられる。
けがをした男性客は元三条市消防本部職員の高橋茂さん(64)=三条市=。「ガシャン!とガラスが割れる音がしてから、棚がドドドッと押してきて車のけつが見えて、車が突っ込んだとわかった。スローモーションのように見えて、もうだめかと思った。あと50センチも中に入ってきたら(女性店員と)ふたりとも死んでいた」と恐怖の瞬間を振り返る。
本来は車が突っ込んだが窓際に設置されているパソコンを利用するはずだったが調整中だったため、その奥のパソコンで作業していただけに「九死に一生を得た」。「日本中のどこかで起きていることとは思うが、まさか自分が遭うとは」と驚く。
一方で事故直後は危険排除を行うなど、消防での経験を生かし、落ち着いて対応したので関係者らは感謝していた。