新型コロナウイルスの感染拡大で手指の消毒液が全国的に不足し、ほぼ入手不可能になっているが、容器こそないものの今も入手できる除菌消臭剤を扱っている会社が新潟県燕市にある。
農業機械の開発、販売が本業の株式会社ホクエツ(浅野智行社長・燕市物流センター2)が、日用品や家庭用雑貨を販売する宅配トマト事業部で扱う「CELA(セラ)水」がそれだ。
次亜塩素酸と希塩酸を独自技術で希釈混合することで生成される弱酸性水。手指の消毒はもちろん、防かび剤やまな板の除菌、トレイやペットの消臭など安心して安全に使うことができるのが特徴だ。
インフルエンザの流行をきっかけに6年前に取り扱いを始め、インフルエンザウイルスに対する効果が実証されている。燕市内の保育園、幼稚園からも発注がある。新型コロナウイルスにはとくにアルコール系の消毒液が有効とされているが、CELA水でも一定の効果が期待できる。
ネットでも扱っており、浅野社長によると2月に入ってから需要が高まり、3月上旬にピークを迎えた。この1カ月で昨年1年間分を販売した。
CELA水は同社が導入した生成装置でいわば無尽蔵につくることができる。県内で生成装置を導入しているのは同社だけ。しかし販売用のスプレー容器やポンプ容器が品切れになり、納期はまったく未定。今、販売できるのは、業務用の5Lボトル(税別4,000円)と20L(同11,000円)しかない。
「レストハウス華苑」(燕市五千石)は、噴霧装置が手に入らないので、2台の加湿器にCELA水を入れて3月7日から稼働している。宴会の利用は多くなく、昼の客数はそれほど減っていないが、夜はかなり落ち込んでいる。同店の小越洋輔さんは「設置したらからといってどれくらいお客さんが戻るかはわからないけど、少しでも安心感をもってもらえれば」と期待する。同店と同じ燕市分水地区にある「割烹やま友」もCELA水の噴霧器を導入していると言う。
CELA水を「長い目でやっていこうと始めた」とホクエツの浅野社長。「安全で安心して使用できるので、リピーターがついている」と客の要望に可能な限り応えていく。CELA水に関する問い合わせは同社の宅配トマト事業部(電話:0120-101-188)へ。
memo
実は同社はトイレットペーパーも扱っている。今回のデマでトイレットペーパーが買い占めされて店舗から消えたときも、同社はトイレットペーパーを欠品することは一度もなかったと言う。トイレットペーパーを扱っているのは以前から知っていたのに、思いつかなかったorz