新潟県三条市は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月3日から閉館していた公共施設を20日、利用を再開した。しかし19日夜に行われた新型コロナウイルス専門家会議の記者会見で示された見解を踏まえて、20日になってあらためて施設の一部機能は当面、利用を中止することに決めた。
利用を中止したのは、体育文化会館、栄体育館、ウェルネスしただにそれぞれ開設されているトレーニングルームとスポーツ交流施設「はやぶさ」のフィットネスルーム、総合福祉センター集会室。
専門家会議の記者会見では、屋形船、スポーツジム、ライブハウス、展示商談会、懇親会などでクラスターの発生が報告されているため自粛を求めたのを受けて、公共施設の一部機能の利用の中止を決めた。
そのほかの施設は「新型コロナウイルス感染症に係るイベント実施、施設利用等の対応方針(暫定版)」に基づいて必要な感染予防策を講じて通常通りに利用できる。
体育文化会館は18日ぶりに20日午前9時に全館開館したが、10時半に三条市からトレーニングルーム利用中止の連絡があった。その時点ですでに19人が利用していたため、新規利用者の受け付けをやめ、利用者全員が帰った11時半に完全にトレーニングルームを閉め切った。
その後もトレーニングルームを利用しようと訪れる人がいたが、中止と聞いても事情を察して混乱することはなかった。荒れた天気でもあり、利用者は少なかったが、以前は子どもたちでにぎわっていたネット遊具を使う子どもは少なく、閑散としていた。それでもバドミントンや卓球、音楽練習の利用もあり、静かな利用再開となった。館内のあちこちに手指消毒液を配置し、小まめに換気も感染防止に努めている。
同じく利用を再開した下田八木ヶ鼻温泉「いい湯らてい」は20日、これまでの週末の半分以上は利用者があり、「思ったよりにぎわっている」とまずまずの滑り出しだた。使ったロッカーはそのつど除菌し、レストランの席を間引いて間隔を広く取り、定期的に換気も行っている。換気が十分にできない地階1階の施設は利用を中止し、飛沫温泉防止のため土、日曜と祝日に行うサウナのロウリュは行わない。
「安心してもらえなければ来てもらえないので徹底してやっている」と感染防止策のチェックシートもつくって有名無実とならないように取り組むとともに、利用者にも理解、協力を求めている。
イベントなどはほぼ予定した通りに復活。延期になった三条市成人式が20日の予定だったのにあわせて20、21日は新成人は500円で入館できるほか、20日から22日までキッズメニューを注文した子どもに綿あめをサービス、20日から31日まで会員の入館ポイントを2倍にするサービスを行って客を呼び込む。
まちなか交流広場「ステージえんがわ」も利用を再開し、通常通り午前9時から午後8時まで利用できる。中の食堂の三条スパイス研究所は午前10時から午後5時までの営業で食事はラストオーダーは午後3時まで。