色鉛筆やパステルで描く新潟県三条市の渡辺花子さん(41)が3月28日から30日までの3日間、三条東公民館でちょうど10回となる節目の原画展「hanacoten(はなこてん)」を開いている。
渡辺さんは長岡造形大を卒業し、師は墨彩画を描く新潟市西蒲区の藤井克之さん。今は地元三条市の杉山額縁店で杉山こども美術教室、三条東公民館でパステルアートサークル、新潟市のアークオアシス新潟店でパステルアート新潟教室と色鉛筆画アークオアシス新潟教室の講師を務める。
今回も色鉛筆やパステルで描いた新作や旧作、教室の手本にした作品など約70点を展示するとともに、渡辺さんの作品を使ったポストカード、メッセージカード、プチフレームアートなど販売。10周年を記念して先着100人に渡辺さんの作品をデザインした5種類の名刺サイズのカードのなかから1枚をプレゼントしている。
会場の三条東公民館は渡辺さんにとって2004年、平成16年7月新潟・福島豪雨で三条市が7.13水害に見舞われたときの記憶の地だ。三条東公民館が建つ場所には当時、水害で被災した人たちが暮らす仮設住宅があった。
当時、北新保に住んでいた渡辺さんの家も1.2mの高さまで浸水し、この仮設住宅で11カ月を過ごした。そこに建設された三条東公民館で2010年に原画展を始めた。「運命的なものを感じる」と渡辺さん。「最初は作品がすかすかだった。藤井先生に毎年、続けろと言われて懲りずにちびちびと続けてきた」。これがきっかけでほかの公民館から講師を頼まれて初めて教える側の立場になり、さらにいろいろな活動につながっていった。
主に女性像など自分の好きなものばかり描いてきたが、講師を始めたおかげで生徒に評判のいい動物も描くようになり、色鉛筆からパステルへ、墨彩画へと創作の幅を広げてくれた。「いやしには定評があるので」と照れくさそうににっこり。「会場で作品にいやされたと思って帰ってくれたら」と来場を待っている。29日は午前10時から午後6時まで、30日は午後5時半まで、入場無料。