ホームセンター大手のコメリグループの2020年度入社式が4月1日、新潟市南区の新潟本社で行われた。新型コロナウイルスの影響で入社式を見合わせる企業も多いなか、徹底した感染防止対策を講じてライブ中継を駆使して全国8カ所で同時に入社式を行った。
入社式は毎年、新潟本社のコメリストアサポートセンターにグループの新入社員全員を集めて行っている。ことしは感染リスクが高くなる“密集”を避けるため、新潟と北海道、岩手、福井、群馬、三重、岡山、福岡の7つのストアサポートセンターをライブ中継で結び、新潟の入社式のようすを各ストアサポートセンターで上映するとともに、各ストアサポートセンターを入社式会場のスクリーンに映して入社式を進行した。
新入社員はコメリ287人、グループ会社40人の327人で、学歴は四大卒144人、短大卒22人、専門学校卒57人、高卒104人の内訳。新潟本社の入社式に出席したのは3分の1の105人で、例年に比べて大幅に少なかったが、席の間隔も広く取って“密接”も避けた。
会場のドアを開けたまま、空気の流れも考えて5基の工場扇を回しっぱなしにして換気。新入社員は会場入りのときに除菌液で手指を除菌し、検温も行うという徹底ぶりだった。グループでは2月の時点から東京方面への出張をやめ、商談は対面せずにL字型に席に着いて行うなど感染防止に万全の対策でのぞんでいる。
捧雄一郎社長はあいさつで、コメリの創業から変わらぬ願い、近年の取り組み、商品のマス化、長野県のJAとの協業、商品の知識のある社員の育成などについて話し、夢を描き夢に向かって突き進める人になってほしい、20年後、30年度の自分づくりのスタートにしてほしい、周りを大切にしていってほしいと求めた。
前年入社社員代表で新潟の「パワー河渡店」の大橋真美さんが歓迎の言葉を述べた。捧社長から辞令を代表の滋賀県の「パワー栗東店」に配属される立命館大卒で新潟出身の田村真樹さん(23)と東京の「ハード&グリーン保谷北町店」に配属される新潟大卒で新潟出身の斉藤綾乃さん(22)に辞令に手渡し、千葉県の「パワー四街道店」に配属される東京農大卒で千葉県出身の前山智秀さん(23)が新入社員の決意表明を行った。
入社式のあと捧社長は「新入社員の一大イベントを安全にしようということでやらせていただいた」、「店においても、きょう行ったのと同じにマスクでの接客をしているし、考えられることを全部やりながら対応していく」と話した。
新入社員は「新型コロナウイルスの関係で入社式ができないかと思っていたが、このような形で開催していただいてありがたい」、「お客さんの不安が消し飛ぶような営業をしていきたい」、「マスクをしていてもわかるような笑顔で頑張っていきたい」と話していた。