新潟県加茂市の書家、泉田佑子さん(43)の作品展「墨遊小路書展2020〜『雪月花』屏風と旅に出よう!〜」が4月1日、長岡市島崎の「良寛の里美術館」で開幕したが、長岡市が新型コロナウイルス感染防止のため翌2日から15日まで同美術館を含む市有施設の臨時休館を決めたため、書展は初日が最終日になった。
泉田さんは2019年11月、ギリシャのアテネで行われた「第44回ジャパンウィーク」で海外書制作ライブを行い、金沢箔の金箔を張った6尺6曲の屏風に「雪月花」と書いた。
その屏風を展示する書展。1日は午前11時から感染防止もあって10人ほどでこぢんまり開場セレモニーを行い、唱歌『さくらさくら』にあわせた舞も披露した。前日から臨時休暇になるかもしれないという情報があり、1日午後2時ごろになって正式に翌日から臨時休館の連絡が入り、1日だけで閉幕が決まった。
これに先だって3月10日から22日まで新潟市・新潟グランドホテルで書展を開き、これがギリシャから作品が戻って本邦初公開する予定だったが、やはり新型ウイルスの影響で2月27日に中止が決まると、その2日後に県内初の感染者が確認された。仕切り直して今度こそと良寛の里美術館での書展にのぞんだが、またも新型ウイルスにほんろうされた。
これだけではない。2020東京五輪・パラリンピックのの聖火リレーにも選ばれていたが、これも大会の延期で聖火リレーもおあずけに。新型ウイルスのおかげで踏んだりけったりだ。
「さすがにわたしもへこみます。この屏風を見てみんなに元気になってもらいたかったのに」と泉田さんは苦笑い。ただ、このあとも新潟市と長岡市の結婚式場、三条市の諏訪田製作所で巡回展のように書展を開く計画で、「負けないぞと思ってます」と泉田さんは奮起していた。