5月14、15日の2日間の新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季大祭と三条まつりは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大名行列や露店を中止することになった。
4月6日、藤崎宮司と吉井直樹三条まつり祭典委員長の連盟で文書を公表した。それによると関係団体で意見交換して決めたもの。大名行列は、行列の参加者は感染防止対策がとれても観覧者は密集し、高齢者も多く、観覧者が特定できないのが中止の理由。大名行列の神輿(みこし)が出ないため、神輿に載せた御霊(みたま)を戻す行事の舞込みも中止する。
露店は市外からの業者も多く、感染地域からの流入も考えられる。子どもたちを中心に大勢の人でにぎわうため、濃密状態が生まれ、ほこりもたって感染の危険がある。
三条市内では市内に勤務する人が感染した以外、感染者が発生していない。「せっかくのこの幸いな状能を続け、市内の安寧を大切にしたいとの思いで苦渋の決断をさせていただきました」とし、「令和3年には素晴らしいお祭りを催すことをお約束したい」と理解を求めている。
八幡宮の神事の春季大祭は例年通り行うので、参拝や寄進を呼びかけている。文書の全文は次の通り。
令和2年八幡宮春季大祭並びに三条まつりについて
新春の候 皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃は八幡官ならびに三条まつりに関して多大なるご理解ご協力をいただき厚く感謝申し上げます。
さて、この度、世界中の話題となっています新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各種イベントや会合が、政府の自粛要請もあり、中止、延期となっております。私どものもとにも毎年5月14日の宵宮祭から始まる八幡宮春季大祭ならびに三条まつりについて、沢山のお問い合わせをいただいています。そこで、先殿、八幡官総代会役員、八幡宮宮司、と相談の上、祭典委員会構成団体である三条導祖神昭三同意会、三条先供組合、八幡宮囃子方組合、三条傘鉾振興会、若衆会の代表者と様々な意見交換をさせていただき、最終的に以下のことを鑑み、本年の三条まつりは中止とさせていただくこととなりました。
1. 露店の出店について
市外からの業者も多く、感染地域から流入も考えられる。
子供たちを中心に露店を楽しみに大勢の人で賑わい、濃密状態が生まれ、また埃もたつため感染の危険がある。
2. 大名行列について
行列の参加者には感染防止の対策をとれるかもしれないが、例年多くの観覧者の方においでいただいて、場所によっては密集し、ご高齢の方も多く、また観覧していただいている方の特定ができない。
3. 舞込みについて
神輿が出ないため、舞込みができない。また参加者により密集、接触がおきる。
5月の段階では市中の状況がどのようになっているのかはわかりませんが、現在三条市内は感染者もなく、平常を保っていると認識しています。せっかくのこの幸いな状能を続け、市内の安寧を大切にしたいとの思いで苦渋の決断をさせていただきました。
祭典委員会としては、外からのウイルスの流入を防ぎ、拡散をさせず、そして、万一の時の追跡調査が可能である状況には無いとの判断です。
楽しみにしていただいています皆様には大変申し訳ありませんが、令和3年には素晴らしいお祭りを催すことをお約束したいと思います。
皆様のご理解を賜りますようお願いいたします。
尚、八幡宮の神事であります春季大祭につきましては執り行いますので、お参り、ご寄進いただけますようよろしくお願いいたします。
八幡宮宮司
藤崎重康
吉井直樹
三条まつり祭典委員長