新潟県三条市の国定勇人市長は4月7日、定例記者会見を行い、7項目を発表した。このなかで7日発令された緊急事態宣言を前に6日夜、新型コロナウイルス感染症の水際対策の実施に伴う市民へのメッセージを市長名で出したことについて、感染症対策は都道府県知事の事務であるという「役割分担を乗り越えてでもやらなければいけないと言う思い」を含めたと話した。
メッセージでは、緊急事態宣言が発令されている地域へは行かないこと、逆に緊急事態宣言が発令されている地域から三条市に来訪や帰省をしないこと、やむを得ず来訪する場合は2週間の自宅待機などを求めた。
国定市長は「今、新型コロナウイルスを三条市内に持ち込まない、持ち込ませないというこの水際対策がうまくいかなければ次のステージにはまってしまう危険性があることだけは強く申し上げておきたい」、「正しく恐れながら日々の生活を送っていただきたい」と強調した。
4月3日の知事のメッセージがなければ踏み出せなかったとし、「おおむね知事の具体的な要請内容をもうちょっとかみ砕いた形にしているのでぎりぎりの選択と思っている」と話した。
緊急事態宣言前日のタイミングでメッセージを出したことについては、自身が緊急事態の対象地域にいる、人のことをまったく考えない学生だったら、発令されたら逃げられないと思って発令前に逃げるとし、「そのためには少なくともきのう中に出したかった。ちょっと遅かったので本当に実効性があったのかどうかは少し反省しなければいけないのかもしれない」と述べた。
来訪者の自宅待機要請とセットで自宅待機支援として市内の越前屋ホテルと三条ロイヤルホテルに格安で長期宿泊できるプランを提供することについては、それぞれのホテルに風評被害も心配されるなか、「名前を出してもいいから協力したいと言っていただけたのは本当にありがたい」と感謝した。
先に感染拡大警戒地域の人に三条市内の公共施設利用を許可していないことについては、公共施設は「法律の建て付け上は市民のためのものじゃない」し、「みんなが使うものなので、ある一定のエリアの人だけ使うことができないと言うのは基本的には法律はそれを許していない」が、「正当な理由がある場合を除くという、その正当な理由も権力の乱用を防ぐために極めて抑制的な運用を法律は求めている」としたうえで、「むちゃくちゃ権力の乱用ですよね。そこは相当ほんとは危ない道を歩んでいると言う事は多少は自覚している」。
このほか人事交流で首都圏に勤務していた職員3人は感染拡大警戒地域との往来を禁止していることからホテルに留め置いていたが、この日に帰条し、2週間の自宅待機とした。
先に三条市から医療物資を送付した友好都市の重慶市巴南区と湖北省鄂州市からお返しにアイソレーションガウンや医療用フェイスシールドなお医療物資の寄贈の申し出を受けた。巴南区は調達が早かったことから「お金を出せばもうちょっとなんとかなるかと打診してる」。発表項目は次の通り。