新潟県三条市は4月7日、緊急事態宣言の発令が予定されている7都府県から三条市への来訪者に2週間の自宅待機を求めるとともに、自宅待機が困難な人の代替となる宿泊施設の利用を支援しようと市内2つの老舗ホテルに格安で長期間、宿泊できるプランの提供を始めた。その取り組みに多くの人が賛同し、たくさんの問い合わせや申し込みが殺到したが、軽症患者を受け入れるという誤った情報が流れ、三条市と関係のない人からの宿泊希望も多かった。
緊急事態宣言で該当地域から地方へ移動することによって、新型コロナウイルスの感染拡大が心配されている。三条市では水際対策として、帰省や就職、進学、里帰り出産、冠婚葬祭など「やむにやまれぬ事情」で三条市を訪れる人に2週間の自宅待機を求めた。
自宅待機が困難な人のために三条旅館ホテル組合とタッグを組み、老舗ホテルの越前屋ホテルか三条ロイヤルホテルに税込みで7泊8日14,000円、14泊15日28,000円で宿泊できるプランの提供を始めた。1泊当たり2,000円で宿泊でき、三条市は1泊1,500円をホテルに補てんする。8日夕方までに越前屋ホテル2件、三条ロイヤルホテル3件の宿泊予約を受け付けた。
ところが自宅待機の代替手段であり、感染が明らかになっていない人からの感染のリスクを回避するための措置であるにもかかわらず、感染している軽症患者を受け入れるという間違った情報、あるいはデマが流れた。さらに三条市とは縁のない近隣市町村に住む人からも多くの問い合わせは宿泊希望があった。
国定勇人市長はブログ「三条市長日記」で「両ホテルが軽症患者を受け入れるという事実は全くございません!」、「三条市の公金を入れての価格設定となっておりますので、お使いいただけないことをご理解くださいませ」と理解を求めている。
一方で島根県隠岐の島町から、同じような取り組みを進めたいと照会があるなど、取り組みが大きな反響を呼んでいる。長期宿泊プラン利用の予約は越前屋ホテル(電話:0256-32-6221、メール:e-hotel@echizenya-hotel.com)内の三条ホテル旅館組合へ。