大型連休にかけて新潟県加茂市を流れる加茂川の上空を約500匹ものこいのぼりが泳ぐ「加茂川こいのぼり」の中止が16日、決まった。
加茂川のこいのぼりは、加茂市民でつくる「加茂川に鯉のぼりを泳がす会」が主催。1990年に加茂市新生商店街が取り組んだのが始まりで、「加茂川の大水害のあと、加茂駅から延びる大きい商店街は発展していったが、右岸側にある商店街にも目を向けてほしい」と企画した。
ワイヤーを両岸に通してそこに市民の寄付や加茂市が購入したこいのぼりを飾り付ける。春の風物詩として定着し、市外からも多くの見物客を集めている。
しかし花角知事が4月13日付けで県民に対し、3つの密(密閉、密集、密接)のどれかに該当する場所についても、できるだけ避けるよう求めたため、感染拡大防止の観点から適切ではないと判断した。
それ以前は3つの密が重なる場所を避けるよう求められていたため、屋外で風通しもよく、密集、密接を避けて見学してもらえればと実施の準備を進めてきた。しかし、見学者による河川敷の仮設トイレの利用や近隣の店舗の利用など、見学以外の場面で密集、密接の感染リスクを完全に否定できないため、ワイヤーも設置していよいよ飾り付けという直前での中止決定となった。
藤田明美市長は「加茂川に 鯉のぼりを泳がせる会をはじめ関係の皆さま、鯉のぼりをご寄附くださった 皆さま、そして、楽しみにされていた多くの皆さまには大変申し訳なく思いま すが、現在の状況を鑑み、何とぞご理解くださいますようお願いいたします」とコメントし、来年は盛大に行われるよう願った。