新型コロナウイルス感染症の拡大により客足が落ち込み、代わりにテークアウトを始めた飲食店を応援する取り組みが各地で行われている。新潟県燕市では市内でテークアウトに取り組む飲食店をSNSでPRする「つばめおうちでお店ごはん」が23日、始まった。
SNSのInstagram(@tsubame_takeout)とFacebook(つばめおうちでお店ごはん)に専用アカウントをつくり、希望した12店舗のテークアウト情報を掲載した。店名や住所、営業時間、テークアウトメニューをプロカメラマンがボランティアで撮影した美しいメニュー画像とともに紹介している。ほかに3店舗のデータがあり、近く追加される。
企画したのは、燕市内の食に関連した農業、工業、商業が連携して燕市の食文化を構築を目指す団体「TSUBAME × ACTIONS(ツバメクロスアクションズ)」。新型コロナウイルス感染症で大きな影響を受けている飲食業を後押しする「食卓燕満(えんまん)プロジェクト」に取り組むことにし、その第1弾として「つばめおうちでお店ごはん」をスタートした。
第1弾では、まちづくりや事業のディレクションを手がける燕市の「MGNET(まぐねっと)」と協働した。店と客の新たなつながりをつくることで、感染症収束後も実店舗への来店に期待。燕市は調理器具のメーカーが多いこともあり、プラスチックごみを減らすためもテークアウトには燕製の鍋や容器の利用を積極的に呼びかけている。鍋なら料理を入れ、そのまま火にかけ、あるいは冷蔵庫に入れと3ウェイで使える。
掲載店のデータを使って、このあと紙媒体でのマップの作成や鍋や容器の製造メーカーとのコラボレーション、飲食店同士のコラボレーション企画などを検討している。
MGNETの佐野大輔さん(36)はプラスチックごみを減らす取り組みについて「この取り組みがほかの地域にも広がっていけば」と言い、「つばめおうちでお店ごはん」については「感染症がきっかけで始まったが、継続的な動きになっていけば」と期待する。
TSUBAME × ACTIONSの代表、ラーメン店「麺's 冨志」を経営する森山史朗さん(40)は「自分たちだけじゃなく、自分たちの後ろで頑張っている食材を供給する側も苦しんでいる。自分たちだけじゃなく、そうしたバックグラウンドもみんな動かす気持ちでやっている」と話す。
食卓燕満プロジェクトは、すでに第4弾までアイデアがある。森山さんは「いろんな人と話ながら一緒に活動を広げていきたい」と期待している。プロジェクトのに関する問い合わせはTSUBAME × ACTIONSの担当大橋和明さん(電話:080-1045-2590)かMGNETの佐野さん(電話:090-5203-9677)へ。