樹脂加工を得意とする新潟県燕市蔵関、有限会社山崎抜型(山崎隆之代表取締役)は、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が高まる医療従事者を飛沫からフェースシールドを試作。さっそく燕市は2,000枚を購入し、燕市医師会と燕歯科医師会に500枚ずつ提供し、医療従事者を支援する。
フェイスシールドは透明の樹脂「PPP(ポリプロピレン)」を顔の前に取り付けて、額が当たる部分に3つのウレタンを取り付ける構造。PPPは顔面から後方へベルトのように伸び、鉢巻きのようにして頭に固定する仕組みだ。
シンプルな構造であるうえにめがねをかけていても装着しやすく、軽い。PPとウレタンは別になっていて、装着するときに自分でウレタンをPPに張り付けるので、保管するにもかさばらない。商品化の詳細は検討中だが、使い捨てできるくらいの低価格に抑えられるという。
燕市は2011年に医療機器産業参入勉強会を発足、15年に燕市医療機器研究会と改称し、市内企業の医療機器への参入を支援してきた。新型コロナウイルスの影響で医療機関でマスクをはじめ、さまざまなものが不足しており、フェースシールドなら市内企業でもできるのではないかと調べていたところ山崎抜型が試作していることがわかり、すぐに発注した。
4月27日から納品予定で、燕市医師会と燕歯科医師会に提供する以外は市の健康診査や各種検診、乳児・幼児を対象とした母子保健事業などでの使用を予定している。