ニッパー型のつめ切りで知られる諏訪田製作所(小林知行代表取締役・新潟県三条市高安寺)は5月11日、同社のつめ切りとつめブラシのセットを地元の三条市医師会(水野春芳会長・三条市南新保)に150セット、越前屋ホテル(明田川賢一代表社員・三条市元町)に50セットを寄付した。
「SUWADAネイルクリッパー」(税込み4,400円)と東京・浅草の「かなや刷子」のブタ毛のつめブラシをセットにして寄付した。「SUWADAネイルクリッパー」は2月24日の発売で、工具を使わずに分解して刃の研ぎ直しもできる折りたたみ式のつめ切り。グッドデザイン・ベスト100、さらにそのうちグッドフォーカス賞(技術・伝承デザイン)に選定されている。
諏訪田製作所の斉藤類さんと水沼樹さんがふたりでそれぞれ訪問して寄付の目録を手渡した。三条市医師会では水野会長に目録を手渡した。セットは三条市医師会会員の医師132人に1セットずつ配布するほか、三条市医師会が参画する県央医師会応急診療所にも届ける。
諏訪田製作所は、新型コロナウイルス感染症との戦いに何か役に立てないかと考え、医療の最前線で働く地元の医師から爪を清潔に保ってもらおうと三条市医師会への寄付を決めた。
水野会長は新しいクリニックを開設したときの記念品に諏訪田製作所のつめ切りを使ったことがあり、諏訪田製作所のつめ切りの品質の高さを体験ずみ。「一生もんだね。刃がさくっと入るし、切ったつめが飛ばずに切れる」と切れ味を試して喜び、「清潔なつめは手指衛生の基本」と感謝した。
越前屋ホテルでは、自宅待機ができない県外からの来訪者の宿泊プランを用意し、今は逆に自宅の家族の宿泊を受けて入れている。長期宿泊で以外と忘れるのがつめ切りと聞いて寄付することにした。
越前屋ホテルではこの宿泊プランの利用者に1セットずつプレゼントしている。明田川代表社員は「東京の学生で就職の内定が取り消しになった人もいて、プレゼントして喜んでもらった」と話していた。
諏訪田製作所のふたりは、三条市医師会では「つめ切りを使ってもらうこととで応援している気持ちを伝えたい」、越前屋ホテルでは「すぐに家に帰れずホテルの部屋に閉じこもってブルーになっている人の心を和ませ、地元のものづくりに関心ももってもらえれば」と話した。