新型コロナウイルス感染症の影響を受けている市内飲食店を支援する新潟県三条市のプロジェクト「#三条エール飯」がバージョンアップ。飲食店に感染リスクが低いテラス席を設置してもらおうと、テントやパラソル、テーブルやいすを無料レンタルするサービスを開始した。
サービスの利用第1号は、昨年7月に三条市興野2、居酒屋「やまとの民」。レンタルしているのは、三条マルシェで使っている道具で、あるものは何でも無料で借りられる。15日、倉庫でテント1張とテーブル1卓、チェア4脚を借り、店舗の前に設置。この日からテラス席営業を始め、夜はビアガーデンのような雰囲気を楽しんでもらっている。
「やまとの民」代表の渋谷聡さん(42)はインスタグラムでこのサービスを知り、三条市に相談した。緊急事態宣言が出されて休業し、5月7日から営業を再開している。窓がないので玄関をあけて換気しながら昼と夜に営業している。「4月からは壊滅的な状態だった」と渋谷さん。「売り上げはともかく、何もしないよりはこうしたことをやって店が営業していることを知ってもらえれば」と間接的なPR効果に期待した。
三条市は市内飲食店を応援しようと4月20日にテイクアウトや出前ができる飲食店を市民からSNSでハッシュタグ「#三条エール飯」を付けて投稿してもらい、さらに三条市体育文化会館に飲食店の弁当を集めて販売する取り組みを行ってきた。
緊急事態宣言の当初の期限だった5月6日を過ぎ、10日で弁当販売も終わったことで新たな「#三条エール飯」の取り組みを検討し、「#三条エール飯プラス」を開始した。これまでのSNSで弁当情報などを発信する「#三条エール飯@ウチ」に加え、三条市が示す行動基準に協力する店舗をSNSなどで発信する「#三条エール飯@ミセ」と、さらに店舗の駐車場などを活用した屋外に設けた新たな飲食空間をSNSなどで情報発信する「#三条エール飯@ソト」を設定した。
無料レンタルは「三条エール飯@ソト」に関連した取り組み。15日までにほかにまだ利用の申し込みはないが、飲食店に気軽な利用を呼びかけている。無料レンタルに関する問い合わせは申し込みは三条マルシェ実行委員会事務局(電話:0256-32-3263)へ。