新潟県三条市神明町、神明宮(三上行雄宮司)は5月16日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため延期していた春季例大祭を行った。
春祭りは4月28、29日の2日間で開催し、2日間にわたり約20の演目の神楽を舞う予定だった。この日の春季例大祭では、午後3時から拝殿で神職と氏子総代長だけで神事のあと、4時から一ノ木戸神明宮三条神楽保存会(笹川浩志会長)が県指定民俗文化財「三条神楽」に収録された神楽を奉納した。
自粛モードで小雨が降っていたこともあり、本来は仮設の舞殿で舞う神楽を拝殿で待った。境内にはぽっぽ焼きなどを売る露店が5つだけ並び、誰が指示したわけでもないが、露店の順番待ちの列はソーシャルディスタンスを保っていた。
奉納したのは疫病(えきびょう)退散の祈りを込めて、はらいの意味をもつ「宮清(みやきよ)の舞」、疫病を踏み鎮める意味をもつ「地久楽(じきゅうらく)の舞」、「杵樹(ソウギ)の舞の3つの舞だけ。舞の解説も行い、最後に参拝者にもちをまいた。
密になっても困るので、告知をせずに行ったこともあり、参拝者は20人足らずにとどまったが、神明宮では「少しでも市民に元気になる話題を届けられれば」と願っていた。