新型コロナウイルスの影響で結婚式で出席者が会場に一堂に会することができないため、それぞれの自宅などからインターネットを介して結婚式に出席するリモート結婚式が広がり始めているが、新潟県三条市の結婚式場でもリモート結婚式が始まった。
リモート結婚式を始めたのは、新潟県三条市横町2、「ザ・ガーデンテラス おゝ乃」。同式場のリモート結婚式の基本的なプランは、新郎新婦とその家族で同式場でリアルな結婚式を行い、それ以外の出席者がリモートで出席する形だ。
テーブルを自由に移動できるオンライン会議システム「Remo(レモ)」の利用を想定しており、出席者全員が一度に会話に参加するだけでなく、新郎新婦や両親がリモートで各テーブルを回ってあいさつできるのが特徴だ。
リモート出席者には、お重料理と引出物を宅配し、同じ料理を同じ時間に食べながら披露宴を進行できる。同式場は約20年前から延べ1万5000件以上、全国の家庭へおせち料理を宅配してたノウハウを生かす。基本価格は挙式と披露宴で新郎新婦と家族10人とリモート出席者20人の計30人出席で89万7,900円。1人増えるごとにリモートか否かに寄らず2万1,030円プラスになる。
ほかの結婚式場と同様、同式場も新型コロナウイルスの影響で4、5月の結婚式は写真撮影だけのフォトウェディング以外はすべて秋に延期になり、秋に予定されていた結婚式も来年春への延期が出始め、大きな打撃を受けている。
4月にチーフマネージャーの田辺宮史さん(40)が高校時代の同級生10人ほどでリモート飲み会を開いたのがきっかけだった。「思った以上に楽しくて、これなら結婚式もいけるんじゃないかと思った」と田辺さん。「リアルな飲み会みたいに酒をついだり、料理の追加のタイミングを見定めたりしなくてよく、逆に気を遣わなくていいところもあった」と言う。すでに結婚式のリモート打ち合わせは行ってきたが、新たにリモート結婚式のプランを加えることに踏み切った。
18日にリモート結婚式の受け付けを始めたばかりだが、20日までに数件の問い合わせがあり、手応えを感じている。「お客さまにはリモート結婚式という選択肢が増えることになり、これから結婚を考えているカップルにもぜひリモート結婚式を検討していただきたい」と田辺さんは期待している。問い合わせは同式場(電話:0256-47-0061)へ。