ことし4月に開校したものの新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン授業を余儀なくされていた新潟県三条市で初めての医療専門学校「三条看護・医療・歯科衛生専門学校」(追手巍校長・三条市上須頃)が週明けの5月25日、待ちに待った登校授業を開始した。
三条市が設置し、NSGグループの国際総合学園が運営する公設民営の専門学校。県が2023年度の開院を目指す県央基幹病院の隣地に建設され、市外、県外への若者の転出による人口減少を防ぎ、県央地域の慢性的な看護師などの医療人材不足の解消など大きな期待が寄せられている。
定員は3年制の看護学科40人と歯科衛生士学科50人、2年制の医療事務学科25人の計115人。一期生は81人が入学した。新型コロナウイルス感染症の影響で、12日に予定していた入学式は取りやめ。代わりに11日にウェブ上で入学式を行った。
その後、オリエンテーションを行っている間に感染が拡大。登校授業を行うことができないまま、オンラインアプリを使った授業に移行した。5月14日で新潟を含む39県の緊急事態宣言が解除され、21日で3府県が解除。さらに25日には全国で解除される見通しとなったことなどから25日、3学科そろっての登校授業開始を決めた。
それに伴って学生には毎朝の検温チェックやマスクの着用を求め、授業使用教室はパソコンを1台おきに使用禁止にし、授業をあえて2つの教室を使って生徒を分散させ、授業をもう一方の教室のモニターに映して行い、密接、密集を避けた。換気や消毒も徹底し、万全な体制でのぞんでいる。
オンライン授業も悪いことばかりではない。オンライン授業でできたグループワークが、登校授業では密になるためできないというデメリットもあるが、やはり実験室の実技は登校しなければ学べない。
新発田市出身で燕市から通う看護学科の生徒(18)は、インターネット上での授業で「モチベーションも下がることなく過ごせた。きょうから通常登校が再開されたのでコロナウイルスへの対策もしっかりとしつつ友達との学生生活も楽しみたい」と話し、オンライン授業では「昼休みの時間内に急いで自炊して食べていた」とも。燕市出身の医療事務学科の生徒(18)は、「ウェブと違ってみんなと顔を合わせられるのがいい」と喜んだ。
登校授業が予定より1カ月半、遅れた。本来の授業時数を確保するための、夏休み、冬休みの短縮も考えられるが、これから検討する。