新潟県田上町のブランドウメ「越の梅」の出荷が昨年より2日遅く6月15日、始まった。春先の生育期の少雨で葉や実が落ちて生理落果が止まらず、昨年の35トンより3割近く少ない約25トンの出荷を見込むが、品質は平年並みで、6月いっぱいまで出荷が続く。
「越の梅」は種が小さくて果肉が多く、色づきがいいのが特徴。皮が薄く梅干しなどの加工に適している反面、代償として果実が裂ける“裂果”が発生しやすく、栽培は難しい。田上地区ではピーク時で約7ヘクタールで栽培されている。
JAにいがた南蒲の田上町梅生産組合の20数軒のほか、あわせて30軒近くが栽培しており、15日はJAにいがた南蒲の田上カントリーエレベーターに次々と「越の梅」が持ち込まれ、選果機を使って大きさによりSから3Lまで5段階に分けた。梅干しにはLか2Lサイズがよく使われ、8トンは梅干しや清涼飲料水「梅うぉーたー」など加工品に使われる
田上町梅生産組合組合長の小柳松栄さん(71)は、「まだ生理落果がとまらず、この前までは平年作くらいの収量がるある思っていたら、収穫に入ったら厳しい」としながらも、「ウメには抗菌作用があると言われ、昔から食あたりや夏ばて防止に効果があるとされ、ぜひ梅干し、梅酒を楽しんでことしの夏を乗り切ってほしい」と話した。
さらに「田上の越の梅を待っててくれるお客が大勢いるので、わたしたちもできるだけ一生懸命いい品物を届けたいと頑張っている」。ただ、「新潟の人は昔からシソが出ないと梅干しを漬けない言われるが、シソを待っているとウメがなくなるので、少しでも早く購入を」と期待した。