新潟県内6カ所となるPCR検査センターが7月1日、三条保健所管内の燕市に設置され、翌2日、現地で開所式が行われた。
名称は「県央地域PCR検査センター」。ドライブスルー方式で1日最大20人の鼻咽頭ぬぐい液の検体採取を行う。運営は三条市医師会が受託し、加茂市医師会、燕市医師会の3医師会で行う。
ことし10月31日まで月曜と木曜の週2回、午後1時半から開設する。検査対象は三条保健所管内の医療機関で診察を受けた患者のうち、医師がPCR検査が必要と判断した患者。症状が比較的軽く、中学生以上でドライブスルー方式で検体採取できる人で、事前予約制になる。
現地スタッフは3医師会で手を上げた医師46人と看護師2人が1日に1人ずつが当たるほか、燕市、加茂市、田上町、弥彦村の協力市町村から1日にふたりが誘導員を車の務める。施設はプレハブの検体採取棟、物品棟、脱衣棟、従事者休憩棟を設置した。
開所式では検体採取のデモンストレーションを行い、誘導員は感染防止のため車の窓を開けずに首から下げた指示を印刷したカードを患者に見せて健康保険証の提示を求めるなどした。防護服にフェイスシールド、マスクなどを着用した三条市医師会の水野春芳会長が検体採取を実演した
県は、これまで新潟、長岡、柏崎、十日町の各保健所管内に十日町が2カ所のほかは各保健所1カ所の4保健所管内、5カ所に地域外来・検査センターを設置しており、三条保健所は6カ所目。このあと6日に新津保健所管内の五泉市、上旬に南魚沼保健所管内の南魚沼市に設置し、県内12保健所管内すべてへの設置を進める。
三条保健所の武藤謙介所長は「感染状況は落ち着いてきている状況だが、これから件数が伸びることも考えられている。早い時期にこの地域でこの場所でPCR検査センターを開設できたのは非常に喜ばしい」と述べた。
水野会長は、県をまたいで往来した人して体調不良があると人は「ぜひとも医療機関を受診したうえで、ここで検査をしていくという体制を整えていきたい」とした。
この日、都内では新たに107人の感染が確認され、対象的に県内では入院患者がゼロになった。「首都圏で患者数がここにきて増加に転じていることから、新潟県にいつ来てもおかしくない状況で、それをとにかく早期に発見する、クラスターををつぶしていくのが目標」と述べた。
また、今まで医療機関によって検査を受ける判断にかなり温度差があり、「患者さんが困った状況があった。それがここで一手に引き受けられることになり、均等に検査できるんではないかな」と話した。
6月22日に燕市・県央研究所が県内の民間検査機関として始めて新型コロナウイルスのPCR検査の受託を初め、県央地域の検査体制は大きく進んだ。