三条市の老舗料亭の料理長4人が看板と誇りを賭けた料理対決「燕三条鉄人晩餐(ばんさん)会」が7月5日(日)、「料亭 二洲楼」(新潟県三条市旭町1)で開戦。審査員となった41人の客がゲーム感覚でガチンコ勝負と腕によりをかけた料理を味わった。
新型コロナウイルス感染症で大きな影響を受けている飲食業界にエンターテインメントなイベントで明るい話題を提供しようと初めて開かれた。対戦は2人1組で東西2チームに分かれ、「極上の夏バテ解消料理」を1人1品ずつ調理して提供。参加費1万円で参加した41人の客が審査員となって4品を順に味わい、チームごとに、おいしさ、美しさ、テーマに沿っているか、2品の相性の4項目で各項目3段階で評価し、集計して競った。
先行は西軍で「料亭 二洲楼」の石橋昭尚さん(50)と「餞心亭 おゝ乃」の田中真一さん(57)、続いて東軍の「寿司割烹 酉乃井」の十二祐一さん、「遊亀楼 魚兵」の結城義博さん(36)の順に料理がテーブルが運ばれた。ハモ、コイ、タイ、カモ、ウナギなど高級な材料を利益度外視でふんだんに使い、異常な原価率の高さだ。
西軍 | 東軍 |
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「料亭 二洲楼」石橋昭尚さん
・鱧水仙・體落とし二種 |
「寿司割烹 西乃井」十二祐一さん
・黄金色の贅沢冷やし茶碗蒸し |
「錢心亭 おゝ乃」 田中真一さん
・鯛煮こごり・キンキ塩麹ニ味焼き |
「遊亀楼 魚兵」結城義博さん
・鰻棒寿司・山葵と山椒ソース |
調理場からの映像も会場で中継して料理長自ら料理を開設した。参加者は「こんなときじゃないと食べられない」、「見た目がきれいだなと思って食べたら、それを上回るおいしさ」と目を見張り、記憶だけでなくスマホで料理の写真を撮って記録にも残していた。
審査の結果、不利と思われた後攻の東軍が勝利。勝った東軍の2人は抱き合って本気で喜び、とくに結城さんは最年少だったこともあるのか、姉が涙を流すひとこまも。最後は4人全員に鉄人認定証が贈られた。