7月22日、長岡市野積地内に建つ国交省の「にとこみえ〜る館」フルオープンの取材に行って、バッタとカマキリのにらみ合いに遭遇した。
バッタが看板を登っているのを見つけた。バッタとイナゴは専門家でも簡単に判別できないらしいので、ここでは一応、バッタとしておく。垂直な面をバッタはうまく登るものだと関心して見入っていたら、その先の看板の上に小さな昆虫がいた。
最初はクモが何かかと思ったが、目を凝らすと生まれたばかりと思われる、小さな、小さな、カマキリだった。おとなのカマキリならバッタより大きいのだろうが、バッタの頭くらいの大きさしかない。このままバッタが看板を登って行ったら、カマキリと鉢合わせだ。そう思ったらもう目が離せない。
その状態を写真に撮るとすぐにバッタは看板の上にたどり着いた。案の定、目の前、数センチの所でカマキリと対峙し、両者ぴたりと静止してにらみ合い。あとで調べたら、バッタは触角の短い草食と触角の長い雑食・肉食にわかれるとわかった。体格的には明らかにカマキリが不利。バッタに捕食されてしまうのだろうかと、まばたきも惜しんでカメラのファインダー越しに対決を見詰めた。
にらみ合うこと約20秒。カマキリは歩いたり走ったりではなく、看板の上からぴょんと目にも止まらぬ速さで飛び降り、敵前逃亡に成功。あっけない幕切れだったが、それでもバッタはぴくりとも動かなかった。
思わぬ決闘を目の当たりにしてちょっとした緊張感を味わった。ずっと前にセミの羽化を撮影して記事にしたことがある。それ以来の久しぶりに夏休みの自由研究を思い出すひとこまだった。