新潟県三条市で7月26日、初めて新型コロナウイルス感染者が確認されたことについて国定勇人市長は午後3時から記者会見し、陽性が確認された人が「勇気もって検査を受けてくれた」と感謝し、感染者に対する誹謗(ひぼう)、中傷、いじめがないよう求めた。
感染がわかった男性の濃厚接触者は症状の有無にかかわらず全員がPCR検査を受けて結果判明までは全員が自宅待機し、陽性ならただちに入院し、陰性でも14日間の自宅待機となるため、「今回、感染が確認された方を原因とするさらなる感染の広がりはほぼ考えられない」と過度な反応は控えるよう求めた。
全国で感染確認に伴う詮索や誹謗、中傷、いじめが起こり、症状が出ても保健所に相談するのも心理的なハードルが高いなか、陽性がわかった男性は勇気をもって検査を受けてくれたことに「三条市長としてこの勇気にまずは心から感謝を申し上げたい」と述べ、「誹謗中傷が発生しないよう市民の方々の自重を求める」、「少しでも自覚症状がある場合は勇気をもって検査を受け、それが結果として社会的な意義をもっている」と求めた。
さらに不要不急でない東京都との往来や旅行、帰省は自粛を求めた。市内公共施設の利用やイベントについては17日から東京都を禁止し、20日からは埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、奈良の6府県からの利用を制限しているが、制限の対象に福岡、愛知、滋賀、和歌山、兵庫、鹿児島の6県を加えて12府県とした。市内小中学校、幼稚園、保育園などの運営は、休校や休園は行わず、通常通り。
また国定市長の市民にメッセージを出した。メッセージの全文は次の通り。
市民の皆様等へのお願い
本日、三条市内において新型コロナウイルスに感染された方が確認されました。
感染が確認された方はお一人であり、現在新潟県において濃厚接触者の調査等が行われておりますが、濃厚接触者とされた方に対しても症状の有無に関わらずPCR検査を実施し、検査結果が判明するまでは全員が自宅待機となります。その上で、仮に陽性であった場合には直ちに入院となり、また、陰性であった場合にも念のために接触から14日間は自宅待機を継続することになります。
このことから、今回感染が確認された方を原因とする更なる感染の広がりはほぼ考えられないため、不安を感じるお気持ちは十分に理解できますが、過度な反応等は控えてくださいますようお願い申し上げます。
また、これまで全国では、感染が確認された方に対する詮索や誹謗、中傷、いじめといった卑劣な行為がしばしば行われております。
しかしながら、今回感染が確認された方は、そうした状況にも関わらず、勇気を持って検査を受けてくださったものであり、三条市長として心から感謝を申し上げるとともに、万が一にも御本人が誹謗、中傷などを受ける事態に陥らないよう、市民の皆様に御理解と御協力をお願い申し上げます。
予防策を万全に講じていたとしても罹患してしまう可能性はあります。仮にいつもと違う症状が現れた場合には、周囲の目が気になるかもしれませんが、今回の方のように、隠すことなく勇気を持って検査を受けてください。それが結果的に感染拡大の防止にもつながります。
私どもといたしましては、引き続き、新潟県と密接に連携しながら、これまで実施してまいりました感染が拡大している地域への往来等の自粛要請などといった水際対策を適宜適切に講じてまいりますので、皆様におかれましても7月17日の私からのメッセージでお願いした次のことなどについて、改めて御協力をお願いいたします。
繰り返しになりますが、現在は市中での感染が広がっているという状況にはありませんので、くれぐれも過度な反応等は控えてくださいますようお願いいたします。
令和2年7月26日
三条市長 國 定 勇 人