ことしで創業60周年の測定工具やDIY製品を製造販売する新潟精機株式会社(五十嵐利行社長・新潟県三条市塚野目5)は、目盛りを読み違えにくい「階段型目盛」を採用した定規「快段目盛」1,200本を地元三条市の特別支援学級の小中学校と特別支援学級の児童生徒に寄付し、7月28日、三条市立一ノ木戸小学校で贈呈式と快段目盛を活用した授業を行った。
快段目盛は、階段を駆けのぼるようなイメージで、1ミリ単位の目盛りを長さを変えて階段状にしたことで、読み間違えしにくく一目で長さがわかる。意匠権を取得しており、シリーズ累計120万個の人気商品になっている。
2年前、発達障害のある子どもの親が作業療法士に勧められて快段目盛を購入した。それをきっかけに大学の作業療法士にかかわる教授を紹介してもらい、情報交換したりアドバイスをもらったりして開発。一方、地元への貢献を考えるなかで国定勇人市長と話す機会があり、快段目盛を寄付することにした。
寄付した快段目盛は、市内の特別支援学級に通う児童に「アクリル包含定規 快段目盛 15cm」800本と、小中学校360学級に「カッティングアクリル方眼定規 快段目盛 30cm」400本。贈呈式で五十嵐社長は「ひとりでも多くの子どもたちに図る作業をしてもらい、それが楽しいなと自信に変わっていただければありがたい」と話した。
国定市長は、自身も小学生のときの算数のテストで長さを測るテストで苦労した思い出を話し、快段目盛のアイデアはコロンブスの卵であり、ユニバーサルデザインであると使いやすさを高く評価。寄付された快段目盛により「算数で役に立つばかりでなく、ユニバーサルデザインを子どもたちに教えるきっかけになれば」と願った。
贈呈式のあと特別支援学級で国定市長から児童代表に快段目盛を手渡してから「定規を活用した授業」を行い、児童はものの測り方を学び、マスクやフェイスシールドなどの製図に挑戦した。