新潟県燕市の鈴木力市長は30日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症対策として市内企業の県外出張や燕市在住や出身の教育実習生を対象にPCR検査にかかる費用の補助することを発表した。PCR検査費用の補助は県内では初めて。
市内の一般社団法人県央研究所(茨木和雄理事長・燕市小高)が6月22日から県内の民間検査機関で唯一、PCR検査を始めたのをきっかけに、感染のリスク管理や感染防止の観点から検討した。
市内企業への補助は、海外や県外に出張して営業活動を行う事業者に対してPCR検査をかかる費用を補助するもので、1検体につき8,000円を補助する。県央研究所の検査料は税込み1万4,850円なので、ほぼ半額の補助になる。
対象期間は8月1日から来年3月31日まで。期間中の検査は1社当たり従業員20人以下が15件、21人以上30検体、100人以上50検体で、予算は1,250検体分の1千万円。
教育実習生は燕市在住か出身の学生で、資格の取得を目指して燕市や近郊で教育実習などを行う人を対象に、民間検査機関が行うPCR検査の費用を助成して安心して実習に取り組めるよう支援する。教育実数のほか保育実習、看護実習、介護実習も対象になる。
8月1日から来年3月31日まで1人1回限りとして上限15,000円を助成する。県央研究所で検査を受ければ全額助成になる。予算は100人分で150万円。7月21日現在で燕市内での実習を申し込んでいるのは、小中学校14人、公立幼稚園・保育園11人、私立幼稚園・保育園24人、児童館・児童クラブ3人の計52人。
PCR検査で陽性と判明した場合は、帰国者・接触者相談センターへ連絡してもらい、あらためて検査で陽性とわかったら、陰性となってから教育実習してもらう。鈴木市長は企業に対して「感染をしっかり把握しながらその後の企業活動に結びつけていってほしい」、教育実習生に対し、「まさに不要不急ではない移動行為」で「しっかり安全を確保しながらやっていただく環境を確保すべき」と述べた。