新潟県三条市の富永草野病院が8月20日、職員2人の新型コロナウイルス感染を公表したことについて同日、国定勇人三条市長はPCR検査の網を広くかけたうえで「封じ込めに成功」し、安心して富永草野病院を受診できるようになったと経緯を話した。
富永草野病院では18日、職員の20代男性(燕市)の感染がわかり、翌19日にはその濃厚接触者である職員の40代女性(三条市)と家族の50代男性(燕市)の感染がわかった。
医療機関職員の感染ということもあり、濃厚接触者の範囲を通常の濃厚接触者に該当しないていどの接触があった同僚、患者、家族など108人に対象を拡大したが、20日までにまだ検査中の1人を除き、それ以外はすべて陰性だった。
病院職員の感染がわかった段階ですぐに公表すべきだったという声があることいついて国定市長は、「あしたの残りの1人の検査結果が陰性になれば、燕市の陽性患者に起因する感染拡大の恐れはまったくなくなり、封じ込めに成功したのかと思うので、ほぼ状況を見通せるようになったこのタイミングで文書を発出することにした」、「あるていど結果も出ていないのに発表するといたずらに不安を助長させる」と述べた。
濃厚接触者は陰性になっても経過観察が求められているため、勤務できる職員の人手が足りなくなるのではと心配される。このことについて国定市長は、今回、PCR検査を受けた濃厚接触者は「ふつうの濃厚接触者ではない、本当はPCR検査を受けなくてもいい人が受けているので、陰性になればすぐに仕事に復帰できる。圧倒的多数は安全サイドに立った検査なので、経過観察が必要な人はごくごく限られる」と業務への影響は小さいと見ていた。
また、市の公共施設利用に伴う住所と名前の申し出の基準を変更した。これまで人口10万人当たり週平均2.5人以上の新規陽性患者が出ている都道府県の利用者に住所と名前の申し出を求めてきた。17都府県がその対象になっていた。
政府が7日に感染状況を判断する6つの指標と数値基準を示し、そのなかで三条市が数字も追いやすく合理性があると判断してきた人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が15人以上で、かつ感染経路不明の感染者の割合が50%以上の都道府県に住所と名前の申し出を求めることにした。19日現在では対象となる都道府県は存在しない。
ただ、知事が域外への移動の自粛を住民に要請している東京都、愛知県、香川県、熊本県、宮崎県、沖縄県の6都府県は引き続き利用制限する。