24日夕方、新潟県・燕三条地域の市街地を夕立どころではないゲリラ豪雨が襲い、各地で冠水や通行止めが発生した。
雨の降り始めは午後5時半ごろ。6時までの三条の1時間降水量は28.0ミリだったので、1時間換算では50ミリ前後にも達する猛烈な雨だった。7時までの1時間に5.5ミリを記録して降り終わり、累計33.5ミリの雨だった。
ゲリラ豪雨がやってくる直前、まるで大蛇のようにも見える不気味な雲が延びる空を燕市佐渡の「チャレンジャー燕三条店」駐車場から市民が撮影している。
33.5ミリの降水量は、絶対量としては大したことはないが、バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨に各地で排水能力がパンクし、冠水が発生した。
三条市西本成寺1のスーパー「マルイ本成寺店」前の市道は、延長約300メートルにわたって冠水し、通行止めになった。ここは大雨のたびに冠水する冠水常習道路。直線で約500メートル離れた「条南あおば公園」には、この地域の内水対策として地下に雨水を蓄える調整池を設置しているが、ゲリラ豪雨には太刀打ちできない。道路はまるで川のようになり、深い所では水面が車の底に届くほどで、20センチくらいの深さがあったと思われる。
この道路に面した新築の家では水が上がって床下浸水しそうになったが、近くにある杉の子工房の利用者が道路との境界に土のうを積んで被害を食い止めてくれた。
燕市井土巻のJRアンダーパスは、いちばん低くなった所に水がたまって通行止めになり、渋滞が発生した。水が深いときに突っ込んで故障したのか、県央大橋へ向かう車線で軽自動車が立ち往生した。
三条市下須頃の「コメリハード&グリーン三条生活館」裏手のアンダーパスも排水が追い付かず冠水したものの通行止めにならなかったようで、アンダーパス手前の電光掲示板は「冠水」と「速度落せ」を繰り返し表示。車もゆっくりと進行していた。
ほかにも三条市須頃3のパチンコ店「ヴィーム三条店」裏のアンダーパスと燕市新町の燕市立燕東小学校前のアンダーパスも冠水で一時、通行止めになった。
雨雲レーダーで確認すると、燕三条地域の近くで雨雲が発達し、燕三条地域で雨を降らせるだけ降らせると、移動していくというよりは消えていき、比喩(ひゆ)ではなく状態としてまさに「雲散霧消」。雨上がりの夜空には、何ごともなかったようにきれいな三日月が輝いていた。