JAにいがた南蒲の南低温倉庫(三条市茅原)で8月26日、三条市の栄地区と下田地区で栽培された早生品種の新米検査が行われ、検査したコメすべてが最高品質の一等米と判定された。
検査した新米は、前週末に収穫された栄地区の「越路早生(こしじわせ)」と下田地区の「ちほみのり」合わせて約17トン。農産物検査員が袋からコメを抜き取り、含まれる水分量を測定したり、目視でコメの色や胴割れを検査した。
その結果、検査した全量が一等米となった。県内の稲作は2017年から不作が続くなか、昨年は力を入れてコメ作りに取り組んだにもかかわらず、フェーン現象で8月半ばに最高気温が40度を超えるなど記録的な猛暑に見舞われた。とくに県内で主力のコシヒカリは品質低下が著しく、一等米比率が3.0%にとどまる経験したことのない結果だった。
ことしは2年続けての品質低下を許すことはできず、「V字回復」を旗印で取り組んだ。9月上旬に始まるコシヒカリの収穫を前にJAにいがた南蒲の吉田文彦会長は「ひとまずほっとした」と早場米とはいえ幸先のいい検査結果を喜んだ。
「春先からはほぼ順調に生育したと認識しているが、いちばん気になったのは梅雨が長かったということ。日照不足がどういう影響を及ぼすか心配だった。ここへ来てこの天候ならこのあと天気が続く予報なのでこのまま行けば十分に期待できる。ただ、最後の最後まで気を抜かないよう対応するよう生産者に呼びかけたい」と気を引き締めた。
「なんかん米は昨年、気象条件の影響を受けて非常に品質を落とし、消費者に申し訳なく思っているが、生産者と1年がかりでことしこそ一等米ということで力を合わせて努力をしてきた結果、大変すばらしいコメが取れた。ぜひ、皆さんから食していただければ」と願った。
また、「この天気が続くと田んぼにいるうちに胴割れを起こすことが想定され、刈り取りの適期、遅れて刈り取ることのないよう生産者に呼びかけたい」と話した。