新潟県三条市は、保内地区の丘陵地帯にある保内三王山古墳群を散策できるコースを整備し、9月3日からの一般公開を前に1日、地元お披露目会を開いた。
保内三王山古墳群は1600年前の古墳時代前期の前方後円墳、前方後方墳、造出付円墳の3基と、1500年前の古墳時代後期の円墳9基と方墳5基の計17基の古墳からなる。1973年(昭和58)に新潟大学の甘粕健教授らによって大規模な学術調査が行われ、四獣鏡や管玉なども数多く出土した。
古墳時代前期の古墳は北方支配を推進した大和王権の中継地点として三条市の地がとくに重視され、この地を治めた豪族が勢力を拡大したことを物語る。古墳時代後期の古墳は蒲原平野で唯一の後期古墳。さらに後期のさまざまなタイプの古墳が1カ所から発見されるのは珍しく、新潟県では保内三王山古墳群だけ。歴史的にも重要な古墳群だ。
これまで駐車スペースがなく、草木が生い茂っていたが、阿部銀次郎市議の提案を受け、地権者からも駐車場確保の理解が得られるということで、三条市で散策路を整備した。
1日は保内公園の緑の相談所で開会式のあと、参加した地権者や協力者など地元関係者が散策路を歩いた。国定勇人市長は公務のため、開会式を中座して一足早く散策路を見学した。
所々にある盛り土したこぶのようなものが古墳だが、それと知らされなければ古墳と気付かず、「これ?」と国定市長。しかし前方後円墳の1号墳は、掲示された地形図と見比べてはっきりとその形を確認でき、「すごいね〜」と感心。「こんなに身近な所に4世紀から築かれていた古墳群がたくさんあるのに驚かされたし、小学校の教科書に出ていた前方後円墳が見えるくらいのサイズで感じられたのは勉強になった」と話していた。
保内三王山古墳群へは、JR信越線の保内駅から歩いて約10分の近さにある。保内三王山古墳群から保内公園へも歩いてすぐで、車なら道の駅「庭園の郷 保内」にも近い。植木産地や造園で知られる保内地区の観光地としての魅力アップも期待される。