9月2日放送されたフジテレビの番組「林修のニッポンドリル」の人気コーナー「開かずの金庫」で取りあげられ、2つの開かずの金庫の解錠に成功した新潟県三条市の中心市街地拠点施設「TREE(ツリー)」は、放送翌日の3日から「開いた金庫展」として解錠された金庫を公開している。
「TREE」は大正時代から続く米問屋が昭和3年(1928)に建築した建物をリニューアルして運営している。建物は2015年に「旧新光屋米店店舗兼主屋」として国登録有形文化財となった歴史的建造物だ。
番組は、そこに残された2つの金庫の解錠に挑むドキュメント。鍵開け師の奥間和弘さんが27時間半をかけて両方の金庫の解錠に成功した。作業で先端が欠けたピッキングの道具を燕市の株式会社武田金型がひと晩で削り出しで製作して解錠に利用するシーンもあった。
2つの金庫のうち、中に何も入っていなかった金庫はカウンターの内側にあるので公開せず、奥にある横幅90センチ、奥行き80センチ、高さ140センチの大きな金庫の扉を開いたままにして見学してもらっている。
金庫の中に入っていた懐中時計、顧客リスト、家屋調査書類、株券が入っていたと思われる紙箱もガラスケースに入れて展示している。
建物は2013年から中心市街地拠点施設として活用され、17年からカフェや貸し室を備えたTREEとして運営されている。番組にはTREEから応募して取りあげてもらった。
放送後、TREEには問い合わせや利用予約が数多く届いている。株式会社TREEの中川裕稀社長(27)は「金庫はずっと店内にあったのでお客さんもずっと気になっていたようで、ついに開いたんですか、見に行きます、という電話もあります」と反響に驚く。
「新潟といったらコメどころ。米屋の金庫を燕三条の力で開けるという、新潟全体としてかかわれているような番組になった。一ノ木戸商店街の外観も写してくれ、少しでも全国の人に知ってもらえたらと思う」と喜んでいる。金庫展は10月31日まで。