この秋、山林で刺されると強い炎症を起こすチャドクガが大量発生しており、県境へ山手が広がる三条市や加茂市は注意を呼びかけている。
チャドクガは日本の代表的な毒蛾(ドクガ)。体長2.5cmから3cmていでで、オスは黒褐色、メスは黄色をしている。茶、サザンカ、ツバキなどのツバキ科の植物を好んで食害し、6月から8月と9月から11月の年2回、産卵し、ふ化する。
チャドクガは卵から成虫まですべて毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる毛を持ち、皮膚に刺さると強い炎症を引き起こし、猛烈なかゆみに襲われ、完治には2週間ていどかかり、ひどいときは1カ月もかかると言う。
毒針毛目に見えないほど細かい毛で直接、さわらなくても風が吹いただけで飛散し、皮膚に刺さる危険性があるため、殺虫剤をスプレーするのも返って危険になる。近づくときは必ず長袖、長ズボン、マスクや手袋を着用し、皮膚を露出させないように注意する。
南蒲原森林組合は、例年になくチャドクガが多く発生していると自治体に連絡している。皮膚炎になった作業員があり、暖冬少雪が大量発生の原因とみる人もいる。9月8日は長岡市小国町の「おぐに森林公園」で小学生と教員ら53人がチャドクガが原因と思われる皮膚炎を発症している。
三条市では9月10日にホームページに大量発生の情報を掲載。チャドクガに近寄らず、毒針毛にふれたらこすらずに粘着テープで毒針毛を取り除いてきれいな水で洗い流す、症状が気になったらすぐに皮膚科などの医療機関を受診することなどを呼びかけている。
加茂市は14日、粟ヶ岳登山道の入り口にチャドクガに注意喚起する張り紙を掲示するとともに、ツイッターでも投稿して市民に注意を呼びかけている。
【商工観光課から】
— 加茂市役所_広報 (@koho_kamo) September 14, 2020
粟ヶ岳でも「チャドクガ」が大量発生しています!
秋の登山シーズンに向けてご注意ください。
幼虫(毛虫)、成虫、卵塊すべての段階で毒針毛を持ち、
注意が必要です。 pic.twitter.com/SwkxA8FCWK