新潟県三条市は9月14日、新型コロナウイルス感染症拡大防止の水際対策として4月7日から5月31日まで三条市官民一体宿泊プランに協力した三条ホテル旅館組合(三条ロイヤルホテル社長・石川友意組合長)に感謝状を贈呈した。
三条市は、特定警戒都道府県などからやむを得ず三条市へ転入する人に2週間の外出自粛を要請。それに伴って家庭の事情などで自宅待機が困難な人に待機場所を提供するため、三条市が補助をして1泊税込み2,000円で宿泊できる7泊8日と14泊15日の2つの長期宿泊プランを設定した。
三条ホテル旅館組合に協力を要請し、市内の越前屋ホテル(明田川 賢一代表社員)と三条ロイヤルホテルが対応した。転入者の宿泊は本館と別館に分けてゾーニングしやすい越前屋ホテルだけで対応。7泊8日に16人、14泊15日に44人の利用があった。5月8日は逆に転入者の同居者を受け入れる形にして両ホテルが対応し、7泊8日と14泊15日に1人ずつの利用があり、計62人の利用があった。ほかに補助対象にならない市外の人も20人余りの利用があった。
全国的にも例のないような取り組みで全国から注目を集め、結果的に利用者からひとりも感染者は出なかった。感謝状を手渡した国定勇人市長は「随分、昔に思える。あのときがいちばんぴりぴりしていたかもしれない」と振り返り、三条ホテル旅館組合に1日で実施の判断を求めて受け入れてもらい、「心意気に感謝以外の言葉が見つからない」と感謝した。
取り組みに反対する意見もあったが、「保健所の事実上のお墨付きの指導をしていただいたのは本当に助かった」と話した。
組合長で三条ロイヤルホテルの石川友意さん(69)は「最初に話をいただいたときは戸惑ったが、市民の安全、市役所からの協力要請もあり、組合として役に立てればとこの話を受けた」、越前屋ホテルの明田川賢一さん(58)は「感染者をとにかく広げないという形を考えたときにうちの構造が最適で、結果として役に立てた」と喜んだ。