ことしはチャドクガが大量発生している。チャドクガは日本の代表的な毒蛾で、体長は2.5cmから3cm。オスは黒褐色、メスは黄色で、卵から成虫まですべて毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる毛を持つ。皮膚に刺さると強い炎症を引き起こし、猛烈なかゆみに襲われ、完治には2週間ていどかかり、ひどいときは1カ月もかかると言う。
数年に1度、大量発生するとか。6月から8月と、9月から11月の年2回、産卵し、ふ化する。この秋、三条市や加茂市の山手でも大量発生。三条市の営業戦略室は17日、粟ヶ岳登山口、八木ヶ鼻、吉ヶ平山荘、保内三王山古墳群の4カ所にチャドクガに注意を呼びかける張り紙を掲示した。
毒針毛は風に吹かれて舞うので、チャドクガを見かけていないのに風に乗って飛んで来た毒針毛に刺されることもある。これまでチャドクガの存在を知らなかった。そういえば何十年か前に大崎山へ行ったあと、片方の腕にぶつぶつが出た。漆にでもかぶれたのかと思っていたが、今となってみればチャドクガだったかもしれない。
14日にチャドクガ大量発生の記事を掲載すると、SNSではチャドクガの被害に遭った人からの情報が数多く寄せられた。身近な人も多く被害に遭っていることに驚いた。山へ行かなければ大丈夫と安心していられないこともわかった。チャドクガは、チャ、サザンカ、ツバキなどツバキ科の植物を好んで食害する。平野部でも庭木のサザンカやツバキの葉にいるチャドクガの被害を受けることも珍しくなく、干し物に飛んで来た毒針毛が付着することもあるというから、やっかいだ。
とくにこの週末の4連休は、山へトレッキング、登山に出掛ける人も増えると思われ、長袖長ズボンの着用はもちろん、十分な注意が必要だ。
チャドクガにさわってしまった場合は、こすらずに粘着テープンで毒針毛を取り除き、きれいな水で洗い流す。症状が気になったらすぐに皮膚科などの医療機関を受診する。毒針毛の着いた服を洗濯するとほかの服にも付着してしまう。チャドクガの毒は50度以上の熱で無毒化されるので、洗濯前に熱湯に入れれば無毒化できる。
営業戦略室では「山登りのシーズンになっているが、登山者は肌を露出させないようにして登山を楽しんでほしい」と呼びかけている。