大相撲の元横綱、日馬富士さん(36)が10月5日、新潟県加茂市の藤田明美市長を表敬訪問した。日馬富士さんがモンゴルの首都ウランバートルに設立し、2018年に開学した小中高一貫校「新モンゴル日馬富士学園」に加茂市が備品を寄付してくれることに感謝した。
日本の教育や文化、伝統、武士道に敬意をいだく日馬富士さんは、学校の備品を新品でそろえるより日本の子どもたちが使ったものを調達。学校でも日本語を教えたり、日本語のあいさつや日馬富士さんが相撲で学んだ礼節や道徳、しつけなどを積極的に教育に取り入れている。
新潟県三条市も不要になったたくさんの机やいすを寄付している。加茂市では毎年、夏休みに使わなくなった備品を処分しているが、この夏休みも備品を整理して、寄付する備品をまとめた。
青海共同調理場の給食用トレイ600点をはじめ、下条小調理場のカレー皿、平皿、小椀、お椀、加茂小のオルガン、下条小の物入れ、七谷小の演台やキャビネットなど合わせて約1,600点を寄付することにした。6日午後から寄付する備品を各施設から加茂市内の運送業者に運び込む。
7月31日にもリモートで東京の日馬富士さんと加茂の藤田市長が話し合っているが、リアルでは初めての面会。日馬富士さんが加茂市役所を訪れたのも初めてで、市役所前に国旗と市旗に加えてモンゴルの国旗を掲げ、午前9時半に日馬富士さんが到着すると集まった市民約20人から大きな歓声が上がった。
大半は女性で、日馬富士さんは握手や写真撮影にも気軽に応じ、「なにかいいことがある気がする」と声を上ずらせて感激していた。
日馬富士さんは藤田市長に対し、ことしは生徒1493人、教職員165人を数えると話した。同じ私立でもアメリカンスクールやインターナショナルスクールの学費は年間200万円から250万円の富裕層向けと言う。
「うちの学校はいろんな方々に出会ってその支えのもとでできた学校なので、学校に投資した分を返してもらう必要がない。これは両国への恩返しのためにつくったので、うちは年間18万円。公務員の子どもでも入れる学校なので倍率は7倍から8倍」と順調な学校運営を紹介した。モンゴルから加茂市・新潟経営大学への留学が増えることにも期待した。