新潟県加茂市は、同市大通りに面した穀町で直営している「加茂市土産物センター・インフォメーションセンター」を来年度から指定管理者に運営を委託するため指定管理者を募集し、株式会社G.F.G.S(小柳雄一郎社長・加茂市本町3)を選定した。
10月7日の藤田明美加茂市長の定例記者会見で選定結果を明らかにした。8月3日から31日まで指定管理者を募集し、3件の応募があった。うち1件は提出書類が不足で審査対象となり、残る2件を対象に選定委員会を開いてG.F.G.Sの提案を選定した。
加茂市土産物センター・インフォメーションセンターは加茂穀町商店街の「宮大門」交差点近くの一等地に2000年4月にオープン。加茂市内の土産物を1カ所で購入でき、加茂市の観光など情報発信するのが目的で、175平方メートルの敷地に木造一部二階建て延べ床面積158平方メートルの建物が建つ。
加茂市が直営し、売り子は加茂市シルバー人材センターに委託しているが、年間約350万円の赤字が続いている。インフォメーションセンターとしてもあまり機能しているとは言えず、市の支出削減、民間による情報発信の強化を図ろうと指定管理者に年間200万円で運営を委託することにした。
G.F.G.Sは、ボーダー柄のカットソーを製造販売し、多くのファンを集める。加茂市駅前で12年ほど前に個人事業主として起業し、2015年に法人化した。昨年夏から新たに加茂本町商店街に面した今の場所を借り、本社を移した。
本社では製造も行い、見学に対応できるオープンファクトリーにしたこともあって手狭になり、販売スペースの確保を考えていたところに今回の指定管理者募集の話は渡りに船だった。
地元の土産物の販売するが、例えば「たなべのかりん糖」の1本売りなど、リブランディングを提案する。加茂駅に近いアクセスの良さを生かしてレンタカーとレンタサイクルの事業を行い、加茂市への観光客が燕三条地域など近隣市町村へも足を伸ばしやすくる。
加茂市には宿泊施設が2つの旅館しかなく、圧倒的に不足している。そこで2階はゲストハウスに充てる。入浴は中心地に5つもある市営の浴場を利用してもらう。
さらにテイクアウトがメーンのカフェも用意し、加茂農林高校の加工食品の販売も提案した。提案はすべて実現できるわけでなく、これから加茂市とすりあわせになるが、来年の大型連休前のオープンを目指す。社長の小柳雄一郎さん(53)は「加茂はコンパクトなまち。インフォメーションセンターとしてもまちの魅力を発信していきたい」と意気込む。
藤田市長は記者会見でG.F.G.Sを選定したことについて「土産物センターだけではなく、加茂市、とくに商店街が中心になると思うが、市内の人の回遊性、人の動きの広がりが期待できるということがいちばんの決め手になった」と話した。