新潟県加茂市の9月定例会最終日の10月6日、本会議で議案1件を採決せずに閉会して廃案となってしまったため、あらためて3時間後に異例の臨時会を開いて採決した問題は、議会事務局がシナリオにこの議案を記載し忘れたミスから始まった。
この議案は2020年度一般会計補正予算案第9号で、ホームページ制作に伴う情報政策費400万円を減額し、同額を財政調整基金に積み立てるというもの。慣例で前日に議会事務局が製作した翌日の本会議のシナリオを正副議長と読み合わせしたが、この議案が抜け落ちていることに気付かなかった。
さらに本会議でも、議案を提出した理事者側が気付かず、すでに審議を尽くした市議らも気付かなかった。この議案は当初にはなかった追送議案だったこともあるが、ミスに気付くチャンスは何度かあったが、気付かないまま採決し忘れにまで至った。
昨年5月に議長に就任した滝沢茂秋氏(50)はケンオー・ドットコムの取材に対し、「議長としてこのような状況になったことを重く受け止め、臨時会の開催でご迷惑をおかけした方々にお詫び申し上げる。議会事務局にサポートしてもらっているなかで、自分もカバーしなければならない立場なのに申し訳ない。予算の執行に影響はなかったが、議長としてえりを正していきたい」と話した。
二度と同じ過ちを繰り返さないよう、滝沢氏は市議会での謝罪のあいさつを臨時会開会前ではなく、開会して冒頭で謝罪し、あえて議事録に残すようにした。自身のブログでも「猛省の日」のタイトルで反省し、わびる記事を投稿した。