日本カヌースプリント選手権大会の男子カナディアンペア1000メートルで優勝し、東京五輪出場の夢をぐっと引き寄せた三条市スポーツ協会に所属するカヌー競技の日本代表、當銘孝仁(とうめ たかのり)選手(27)が10月9日、三条市役所を訪れ国定勇人市長を表敬訪問した。
當銘選手は沖縄県糸満市出身。沖縄水産高校時代からカヌースプリント・カナディアン競技で活躍し、世界選手権やワールドカップへも転戦し、2016年のリオ五輪では代表にあと一歩まで迫った。国内最高峰の日本カヌースプリント選手権大会では2016年、17年とカナディアンシングル1000メートルで連覇した。
そしてことし9月の今大会では、三重県スポーツ協会所属の大城海輝選手とペアを組み、東京五輪出場枠獲得を目指すカナディアンペア1000メートルで、2位に大差をつけて優勝。カナディアンシングル500メートルでも2位となった。
新型コロナウイルスについて當銘選手は「うまく付き合っていく方向に考えないといけない」と話し、国定市長は「体力面や練習面に相当、変化が出たのでは?」と気遣った。
ことし3月の大陸予選が延期になり、當銘選手はコンディションを落としてうまくいってなかったにもかかわらず「延期になった分、逆にラッキーだった。すごい救われた」と受け止めた。
今夏のはずだった東京五輪の延期も「時間が増えた分、ぼく自身とぼくのペアは、すごい有意義に使っている」と話すと国定市長は「いいねえ!。そうやってプラスにとろえるって、なかなかふつうはできない」と感心。當銘選手の「与えられた今がチャンスで、あらためて力を蓄えて来年に向けて有効に使いたい」という頭の切り替えに国定市長は思わず「かっこいい…」とため息をついた。
當銘選手はカヌーは「流行ることはない」、「なんだよカヌーっていう風に言われなくてすむ」と自虐的な発言に国定市長は笑いながら「思ってるほど卑下する必要はない」とフォローしていた。
10日(土)は午前11時から午後3時まで三条市・大谷ダムの「ひめさゆり湖」で開かれる當銘選手の応援イベント「パドルスポーツフェスタ」が開かれる。正午から午後1時まで當銘選手によるトークショーとデモンストレーションレースをはじめ、11時から正午までと午後1時15分から2時50分まで1回20分ていどの参加無料のパドルスポーツ体験会が行われ、パドルスポーツ系映画の上映、キッチンカー&ドリンクコーナーもある。