10月20日午後、新潟市西蒲区の潟東地区にシカが現れ、平野部だけに住民を驚かせた。
午後2時半ごろ、三条市に住む会社員の40歳男性が仕事で同乗者と2人で車を運転中にシカを発見した。南区の鈴木仏壇店方向から国道460号を潟東方向へ進行し、中ノ口川を超え、上越新幹線の高架下をくぐり、潟東けやき病院の先、北陸自動車道の手前の今井地内付近でシカを発見した。
丁字路を左折すると男性から見て右手の田んぼを並走するように同じ方向をシカが走っているのを見つけた。「最初はイヌかと思ったけど、そんなんじゃなかった」と男性は目を疑った。
仕事でちょうど近くへ向かっていたところだったが、「おもしろうだったので」としばらく並走を続けたが、道がなくなって見失った。車から降りてシカを探すと用水路の中に落ちていた。
用水路の水深はシカの背中がやっと水面から出るほど深かったが、シカは跳ねるようにして用水路を進み、思わず動画を撮影した。同乗者に110番通報を頼み、警察官や区役所が到着したところで現場を離れたが、想定外の珍事に対応に首をひねっていたと言う。猟友会に応援を求めたようだが、その後の対応は確認していない。
シカは山手から来たと思われるが、現場は県境方向の山手からも逆に海側の角田山からも10kmほど離れている。さらに交通量の多い国道や線路も超えなければ現場まで来られない。
ことしはクマが数多く出没し、サルやイノシシの目撃も多い。そこで今度はシカで、人間と野生動物が生きる場所の境界があいまいになっているようだ。