毎年3月に行われている新潟県燕市の成人式が、ことしは新型コロナウイルスの感染防止対策で11月28日に延期して3会場に分散して行われた。3会場合わせて対象者779人のうち457人が出席。昨年の659人より3割、約200人少なかった。
会場は吉田産業会館が吉田中、分水公民館が分水中、それ以外の市内中学校の卒業生は文化会館と3会場にふりわけた。各会場には燕市文化会館が対象403人のうち239人(うち県外19人)、吉田産業会館が対象247人のうち140人(うち県外12人)、分水公民館が対象129人のうち78人(うち県外7人)が出席した。
出席率は58.7%。昨年は対象784人のうち659人が出席して出席率は過去最高の84.1%だったので、それを30ポイント近く下回った。
成人式は例年、式典、大抽選会、記念写真撮影の3部構成にしているが、今回は感染防止のためにぎやかになる大抽選会は中止。受け付けを担当する職員はマスクにフェイスシールドを着けて検温、チェックリストに記入してもらうなど感染防止対策を徹底。成人式の模様を各会場からライブ配信した。
3会場で午後2時から同時に行ったので、主催者側の出席は手分けし、文化会館では鈴木力市長、分水公民館は南波瑞夫副市長、吉田公民館は山田公一教育長が式辞を述べた。
文化会館での式辞で鈴木市長は、会場を3つに分散して成人式を開催することに理解を求め、お決まりの流行り物ネタはことしは大方の予想通りで「鬼滅の刃」から、「あらためておとなとしての自覚と責任をもって竈門炭治郎(かまどたんじろう)のように『全集中!』、一日一日を食いのよう充実したものにしてほしい」と求めた。
坂本龍馬や西郷隆盛、本田宗一郎の名前をあげ、ゆずの曲「栄光の架け橋」の一節を引用して「絆を大切にしながら感謝の気持ちを忘れずにどんどん前に進んでいってほしい」、「君たちは一人じゃないよ」などと伝え、最後に「すべての新成人の未来に栄冠が輝くよう心からエールを送る」と締めくくった。
来賓の桜井甚一県議、大原伊一市議会議長の祝辞のあと新成人代表で県立中等教育学校卒業で新潟大学教育学部3年の柴山晴香さん(20)が「二十歳の決意」を述べた。小学校教員になるための勉強を続けており、「現在は、子どもたちに寄り添える教師になりたいと強く思い、教員採用試験の勉強に励んでいる最中と話し、「きょうという日がすべのて新成人にとってすばらしい門出となることを祈る」と締めくくった。