新潟県加茂市の市立図書館(細貝秀樹館長)は、図書館システムの更新にあわせて読書の記録帳のシステムを導入し、12月5日から運用する。子どもたちから銀行の通帳のような「読書の記録帳」に借りた本を記帳してもらい、本を借りる楽しみのひとつにしてもらう。
カウンターで申し出ると無料で読書の記録帳をもらえる。読書の記録帳のシステムはパソコンにプリンターが接続したもの。初めて使うときは貸出カードを使って名前、利用者番号、発行日を印刷する。貸出カードに基づいたデータと連動しているので、自分でデータ入力の必要はない。
中は図書を借りた「年月日」、「書名」、「著書名」、「ふりかえり」の項目があり、本を借りるたびに読書の記録帳機でこれらの貸出データを印刷できる。「ふりかえり」だけは手書きで、読んだ本を三つ星で評価するようになっている。
読書の記録帳は140×87ミリでサイズも中の印字部分も銀行の通帳と見間違うほどそっくり。表紙は親子で本を読む加茂市公民館のキャラクター「りすのこーちゃん」と、公募で選ばれた名前のない同図書館のキャラクターをデザインした。
対象は小学生以下の子どもが基本だが、希望があれば中高生にも配布する。通帳は336件の貸し出しを記録でき、データがいっぱいになったらなにかプレゼントできないかと考えている。
読書の記録帳を導入した図書館の利用者が全国的に急増している。新潟県内では、ことし7月1日に南魚沼市図書館が初めて導入した。加茂市立図書館ではことし10月に図書館システムのリースが更新され、それにあわせてリース先からこれまでの予算内で読書の記録帳のシステムもあわせてリースできると聞き、導入を決めた。
細貝館長は、「子どものうちから図書館に出向いてもらい、おとなになっても、さらには自分の子どもを連れて図書館に来てもらいたい。10年先、20年先の利用者を増やしたいという思いを込めている」と話した。