新潟県三条市の西本成寺地区が中心のボランティアグループ「西本成寺有志会」(石田節雄会長・18人)は12月27日、門松9基を作って三条市内の3つの福祉関係施設に寄付した。
11月15日にタケノコの産地で知られる栄地区の吉野屋にタケを切り出しに行き、12月13日はタケを斜めに切るなど下準備。27日は西本成寺1の作業場で、そろえた材料を組み合わせて門松を組み立てた。
60代から70代の会員18人全員が参加し、慣れたもので午前9時から1時間で9基の門松を完成させた。オイル缶を土台に3本の青タケを立て、縁起物のマツ、ユズリハ、ナンテン、センリョウ、ハボタン、キクなどを飾った。ただ、まめに健康に暮らせるようにという豆木はことしは入手できなかった。
完成した門松はすぐに軽トラックに積んで三条市総合福祉センターと障がい者居住支援拠点施設「長久の家」に2基ずつ、特別養護老人ホーム「さかえの里」に5基を届けた。
同会は有志が地元本成寺保育園の草取りや冬囲いを行ったのが始まりで、会員の多くが被害を受けた2004年の7.13水害の翌年、05年に仮設住宅の被災者のためにお楽しみ会を開こうと発足。以来、保育園や福祉施設の草取りや泥上げ、冬囲いから、研修旅行やボランティア対象のイベントなどの活動を行っている。
今年度も1年間に30日間の活動を計画したが、新型コロナウイルスの感染拡大でほとんどの活動を中止せざるを得なかった。会員は高齢化もあって年々減り、門松は昨年と同じ9基を製作したが、負担が大きくなったのでひところよりも数を減らした。
会長の石田節雄さん(71)は、「会員が現役のときは、植木屋、大工といろんな腕をもっている人がいる。一堂に会してみんなで知恵を出し合って作り、届けて喜んでもらえるのがうれしいし、門松作りを生きがいにしている人もいる。達成感や活力にもつながっている」とボランティアが人のためと同時に自分のためになっていると話している。